テレビは増税延期を速報で伝えました
引用:http://livedoor.blogimg.jp/usitarouthecat/imgs/9/d/9da39e67.jpg
安倍首相は政権幹部を集めて消費増税の延期を伝えたが、谷垣幹事長と麻生財務相が猛反発しています。
麻生氏は2012年に真っ先に安倍支持を宣言し、安倍総裁を誕生させた功労者でした。
増税再延期に財政派が猛反発
安倍首相はサミットが終わった5月28日夜、消費増税延期の方針を主要ポスト3人に伝えました。
首相公邸に呼んだのは麻生副総理兼財務相、谷垣幹事長、菅官房長官でした。
2017年4月に予定していた消費税10%を、再び2年半延期し、2019年10月に増税すると伝えました。
6月1日の国会会期末に正式に発表したいとしています。
麻生氏と谷垣氏は増税延期に反対し、麻生氏は「延期するなら衆議院を解散するべきだ」と主張しました。
この事から増税延期に反対していたのは谷垣と麻生両氏で、衆院解散を含めた駆け引きがあったのが推測できる。
財務省を支持する増税派は、「増税を延期するなら内閣総辞職か衆院解散が必要」と再三発言していました。
ここに財務省の思惑があり、増税は既に決まった事であり、変更するなら総辞職が必要だと牽制している訳です。
だが実際には増税は決まった事ではなく、三党合意と言ったってそれが選挙の争点だった訳ではなく、個人的な合意にすぎません。
解散が必要なら解散しようという事になり、一時は衆議院解散と衆参同日選挙が確実視されていました。
しかし経済の悪化にも関わらず安倍政権の支持率が上昇した事などから、「解散も辞任も増税もしない」方向に傾いたとされています。
財務省の言い分では「増税を変更するには総辞職か解散が必要」だったのを、何もせず変更すると、ハードルが一つ下がります。
すると2019年になったら、また延期したり、廃案にすることが可能かも知れません。
安倍首相は財務省に勝てるのか
財務省の権力がそれだけ強く、総理大臣すら逆らえないという力関係が伺えるような展開です。
同席した菅官房長官は麻生氏に反論し、衆参同日選を実施するべきではないと発言しました。
これで4人の中で麻生氏と谷垣氏は財務省支持、菅氏と安倍総理は反財務省という立場が、はっきりしました。
今国会は1月から始まって6月1日までの長丁場で、野党は途中何度も「消費増税を延期するのではないか」と水を向けてきました。
その度に総理は「延期はまったく考えていない」と言ってきたが、これはやはりブラフでした。
そこで「延期を検討している」と言ったら野党は審議拒否し、会期が延長されて衆参同日選挙が不可能になります。
結局衆議院は解散しないようだが、最後まで衆参同日選挙の可能性を残すという戦略だったようです。
安倍総理は7カ国の元首と蔵相、中央銀行総裁が集まるサミットでも、増税延期に向けた演出をしていました。
「世界恐慌に発展する可能性が高い」「リーマン級の経済危機」と再三発言し、ある程度共同声明に反映させました。
これも財務省を同意させる為には、「G7が増税延期を要求している」という流れを作りたかったからでしょう。
またサミットでは各国が積極的な財政出動を行うという同意を取り付け、増税延期と財政出動の2つの準備を整えました。
2012年に始まった「アベノミクス」は元々、増税延期や減税、積極財政を同時に行うものだったが、実際には緊縮財政をしました。
増税と緊縮財政を不況下にやったらマイナス成長になるのは当たり前で、2013年を除いて就任以来ずっとマイナス成長になりました。
これだけの伏線を張って増税を延期し、果たして本当に積極財政に転換できるのかが大問題です。
積極財政は言い換えれば財政再建とか財政健全化を放棄することで、財務省の存在自体を全否定する事です。
安倍首相は過去になんども「かっこ良い事」を言ってきたが、その度に口約束で終わっています。
今回も口約束で終わるのか、本当に実行するかが注目されています。
コメント
金握ってるから財務省に権力集中してるのですよねぇ。もう内需用財務省と外需用財務省との2分割すればいいでしょう。そうしたら矛先は元仲間であった対需省に向くから、向こうの足を引っ張るってもくろみであっても総理に同調する省が出るでしょう。
前の記事の野口悠紀雄もそうですが、財務省出身者のマスメディアでの扱いを見れば、どれだけマスメディアや政治家が財務省を恐れているか分かりますね。
財務省としては「出し渋り」することで権力を握ってきたわけですから、増税・緊縮財政こそが財務省としては最も省益的に望ましいと言うことになります。
要するにデフレの最大の原因は財務省の省益だった、と断定できる