輸出が減って工場は閉鎖され、出稼ぎ労働者は要らなくなった
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引用:https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-MI370_china_P_20160128152000.jpg



貧富の差が地域で100倍の国

中国で農村からの出稼ぎや都市への移住が急速に減少し、都市化が終わりつつあります。

都市化はより生産性の高い職業に転換する事なので、都市化の終わりは成長の終わりを意味します。

中国では30年間に渡って地方の農村から都市への出稼ぎが増え続け、いつか先進国並みに都市化すると見られていました。

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だが2014年ごろから明確に、地方から都市への流入ペースが落ち始め、出稼ぎも減り始めました。

35年前中国の農村では年収1万円にも満たず、都市部でも10万円には届かなかった。

今では中国全体で平均年収70万円以上、北京や上海の上級公務員や一流企業は年収200万から400万円も得ています。

もっともこれは中国統計局の発表が正しければの話で、実際はこの半分かも知れません。

中国の農村では農民の平均所得が現在も10万円に過ぎず、僻地では今も年収1万円です。


僻地とはウイグル族など「テロリスト」とされている民族で、出稼ぎや移住、職業の選択は禁止されています。

農民の子は一生農民、生まれた場所で一生暮らすのが義務付けられ、勝手に移住すればテロリストとして拘束されます。

という事は同じ中国でありながら北京や上海中心部では100万円以上、他民族の居住地は年収1万円なのです。


これだけ地域によって収入に差が在るなら、都市への移住が殺到する筈ですが、現在でも移住は禁止されています。

移住が認められるのは共産党有力者にコネがあったり、賄賂を払える人だけで、大多数の出稼ぎは非合法住民になります。

出稼ぎは犯罪なので都市で生まれた人より低賃金になり、給料はおよそ半分ほどと言われています。



中国出稼ぎ労働者の実態

中国経済の成長率が落ち、特に製造業や輸出企業が不振で、バタバタと倒産しています。

毎年数百万人が新たに出稼ぎし、工場で働いて、安い商品を世界に輸出してきました。

中国製造業は現在マイナス成長になっていて、代わりにインターネットが発達しているという人も居るが、インターネットは労働者を雇わない。


インターネット事業で工場と同じ売上が有ったとしても、雇用する労働者は10%か1%に過ぎないでしょう。

中国全土の失業率の統計はないが、高度成長していた頃でも10%近くあったと推測されるので、現在は15%はあるでしょう。

低成長になると真っ先に切られるのは、都会に出稼ぎに来ている非合法労働者で、どんどん田舎に帰っています。


出稼ぎ労働者は2015年にゼロ成長で伸びが止まり、他の省まで出稼ぎに行く人はマイナスになりました。

中国の都市人口は56%で、60%に上げる目標を建てているが、計算上は不可能です。

先進国の都市化比率は90%で、中国はかなり少ないが、なぜ都市化を進めたいのでしょうか。


農業は近代化されると人手が不要になり、1割ほどの人数で昔と同じ生産が可能になり、従って失業者が農村に溢れます。

また農業の経済性は工業やサービス業より低いので、都市化を進めないとこれ以上経済成長しません。

都市化が進まないと中国が建設した住宅が売れ残り、不動産業は低迷するでしょう。


「戸口」制度では移住しても都市戸籍ではなく農村戸籍のままなので、住民サービスが受けれません。

保険もないし学費の補助や福祉サービスもなく、その子供もまた不法労働者のままなのです。

すると一時的に都会で労働したとしても、金を稼いだら生まれた土地にもどった方が賢明です。


農村戸籍だと銀行口座を開設出来ないし、居住地の役所に結婚を届け出る事も、子供の出生届すら出せません。

都市住人のうち都市戸籍を持っているのは3分の1にすぎず、北京や上海の3分の2は違法な住人です。

「戸口」制度は共産主義や治安を維持するために必要とされていて、自由化される事はありません。