外国人が何千万人来ても、それで経済成長することは絶対に無い。
引用:http://livedoor.blogimg.jp/kinkiboy/imgs/3/a/3a17fc45.png
だが外国人がいくら増えても日本の経済成長率は1%台で、むしろマイナスになっているのは何故でしょうか。
無策のツケを誰が払う?
政府は訪日外国人が3000万人を超えたとして、次は4000万人、その次は6000万人だと言っています。
2011年の原発事故の後、特に安部政権が始まった2013年から訪日客は目だって増加しました。
安倍首相は「訪日外国人が増えたのは自分の手柄だ」と言っていて、それは別に構わない。
だが不思議なのは訪日外国人が3倍以上に成っても日本のGDP成長率が増えていない事で、むしろ外国人が増えるほど経済が悪化している。
訪日外国人が増える事と、日本の経済成長に関係があるのかないのか、議論されませんでした。
皆当たり前のように「訪日客が増えれば経済効果がある」と言っているが、わたしはそう思いません。
訪日外国人がお金を使うのは、お金の流れを見ると輸出と同じで、例えば自動車1台輸出すると300万円分のドルが得られます。
実際は原材料費などを輸入しているので得られるのは1台100万円として、外国人が5人くらい訪日すると、交通費込みでそのくらい使います。
外国人がお金を使うのだから日本は儲かっている、と輸出論者は言うのだが、それは戦前から1980年頃までの話です。
その頃までは通貨は事実上固定相場制で、日本が何台自動車を輸出しても、1ドルは360円や200円で固定されていました。
ところが日本の輸出で大損をしたアメリカはぶち切れてしまい、ある日日本の大蔵大臣をNYに呼んで「今日から変動相場制にするから」と通告しました。
これが1985年のプラザ合意で、以来30年間日本はずっと円高不況で苦しんでいます。
観光業は同じ場所でクルクル回るだけのハムスター経済
引用:http://pds.exblog.jp/pds/1/201209/15/22/f0189122_15113970.jpg
日本はハムスター経済?
変動相場制では輸出すればするほど円高になるので、輸出で儲ける自体不可能で、むしろ輸出するほど損をします。
アメリカのような輸入超過国のほうが儲かるように出来ていて、その為にアメリカはルールを変更したのでした。
固定相場制では「輸出するほど儲かった」が、変動相場制では「輸出するほど罰を受ける」のです。
安倍首相の経済政策をみると、円安に誘導して輸出や観光客を増やしているが、輸出と観光客を増やしても成長率は1%のままです。
なんだかハムスターが車輪を回しているが、同じ場所で自分が走っているだけ、というのを連想してしまいます。
輸出を増やして外国人観光客を増やしたのに日本国が儲かっていないのは何故なのでしょうか?
観光と輸出には一つ大きな問題があり、日本人が働いた成果が国外に流出し、蓄積されない事です。
日本で自動車を生産しアメリカに輸出したら、日本には何もなくなり、アメリカには自動車が1台増えます。
お金という紙切れを受け取る代わりに、高度な工業製品である自動車を渡すのは、あまり有利な取り引きではありません。
アメリカは受け取った自動車を何年か有効に使いますが、日本の自動車メーカーが受け取ったお金は有効に使われているでしょうか。
輸出や観光で経済成長はしない
トヨタやホンダが輸出して得た金は中国や海外に別な工場を建てたりして、日本人には何の恩恵ももたらしはしません。
あるいは企業の内部留保になったり、株価や地価を吊り上げたり、ロクな事に使われないのが現実です。
外国人旅行者より国内旅行者を増やした方が経済効果が大きいのに、外国人を泊めるために日本人をホテルから追い出しているのです。
この政策を続ける限り、来年も再来年も、日本はゼロから1%成長でしょう。