小笠原危機のとき安倍首相は「絶対に中国漁船を取り締まるな」と指示し、中国漁船は自由に行動する権利を得た。
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尖閣諸島の接続水域(領海の隣り)に230隻の中国漁船と中国海警が出現し、侵入の機会を伺っている。
この漁船の正体は中国軍が雇った武装民兵で、2014年に小笠原でまったく同じ事をやり、なんと安倍首相が許可していました。
2014年に続いて中国漁船団が出現
尖閣諸島の接続水域に中国船約240隻が8月6日出現し、武器を搭載した海警(巡視船)も同行しています。
漁船約230隻の他に、海警3隻から6隻が同行していると報道されています。
日本政府は中国に抗議したが、その後も海域に止まり続けています。
中国政府は漁船が「自国の水域」で漁をしているので、海警が保護していると説明している。
だが南シナ海で中国軍と行動を共にしている漁船は、中国沿岸の漁港で中国軍に雇われたのが分かっている。
2014年に沖縄や小笠原海域に押し寄せた数百隻のサンゴ密漁船も、軍人が武装漁船で指揮していたのが分かっている。
小笠原諸島は中国漁船に包囲され、フェリーや地元漁船が出港できない事態になった。
包囲された小笠原諸島のほとんどの島には、警察官すら駐在しておらず、自衛隊も海上保安官も居ませんでした。
海上保安庁の巡視船は1000キロほどの海域に数隻しか行動しておらず、武装民兵が島を占領するかも知れない危機的状況だった。
この時安倍首相は「絶対に中国漁船を取り締まるな」と指示して黙認し、「台風が来たら港に入れて保護しろ」とまで命令しました。
武装漁船が小笠原を包囲したのが2014年10月で、11月21日に安倍首相は方針を変えて「中国漁船を逮捕しろ」という指示を出しています。
11月21日は安倍首相が衆議院を解散した日で、「自分のおかげで中国漁船を逮捕できた」のをアピールして、選挙で有利に戦いたかったようです。
小笠原の密漁船を黙認した安倍首相
放置した1ヶ月間で小笠原のサンゴは禿げ山になったという調査結果がでているが、首相は衆院選に勝ててゴキゲンでした。
愚かな事に「日本政府には外国漁船を取り締まる権利がない」などと閣僚や官僚が説明していました。
11月10日には北京でアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開催され、安倍首相と習近平の日中首脳会談が実現しました。
この数日前から中国側は「首脳会談をしたいのなら中国漁船を、取り締まってはならない」と広報官などが日本に警告していました。
つまり安倍首相が「中国漁船を絶対に取り締まるな」と言って黙認したのは、習近平に「謁見していただく」ためでした。
習近平と安倍首相が会談すると、海を埋め尽くすほど居た中国漁船は、1週間ほどですべて居なく成りました。
やはり漁船団を指揮していたのは中国軍であり、習近平が命令していたのです。
安倍首相の対応の何が不味かったかというと、取り締まらず黙認して「日本側には取り締まる権限は無い」などと閣僚や官僚が言ってしまった事でした。
逮捕された中国人船長は日本領海に侵入して、違法に漁をしたり日本船の航路を妨害した船だけです。
小笠原海域に侵入して包囲した事自体では、一人も逮捕していないし、認めてしまっていたのです。
今回尖閣沖に現れた230隻の中国漁船も同じ事で、領海に侵入せずその場で止まっていれば、「日本側に取り締まる権利はない」事になります。
この理屈ではハワイを日本軍の空母6隻が包囲しても、領海に入らなければ自由に行動して良い事になりますが、アメリカは決して認めないでしょう。
国際法では取り締まらないのは許可したという事
こういう事は国際法では主権の放棄にあたり、中国漁船と海警は日本政府の許可を得て尖閣周辺で行動している事になるのです。
安倍首相が選挙目当てで中国武装漁船の行動を認めたことで、日本は「領海に入らなければ何をしても良い」と許可を出してしまいました。
この中国漁船団の正体が何者なのかは、南シナ海での行動で知ることが出来ます。
2016年5月1日のロイターによると、南シナ海に面する海南島の白馬井という港の漁船団は、中国海軍から補助金を貰って出港していた。
漁民は中国軍から軍事訓練を受けて協力金を貰い、船の助成金、燃料や水も軍から支給してもらっていました。
訓練とは外国船舶の情報収集などで、海南省当局者や水産会社幹部が匿名でインタビューに答えている。
国際法では民間人を偽装した兵士、民間人の恰好をした民兵は兵士としての身分が保証されません。
ゲリラやテロリストが民間人を巻き添えにして、大きな被害を出すからで、捕虜にせず銃撃して良い事になっています。
実際アメリカ軍や国連軍は中東やアフリカでそうしているし、ソマリアの海賊にも兵士として正当な扱いはしません。
中国軍の指揮下にある漁船も国際法上の身分はソマリア海賊やテロリストと同じなので、自衛隊が爆撃しても何の問題もありません。
中国は騒ぐでしょうが、日本は「国際法」を全面に押し出して正当性を主張すれば良いのです。
「中国漁船を保護しよう」と言い出した安倍首相がいかにマヌケで、中国側を利しているか、そろそろ気がつくべきです。
中国軍は漁民に体当たり用の大型船を買い与え、軍事訓練をしてベトナム漁船を攻撃させている。
引用:http://livedoor.blogimg.jp/toychan-net/imgs/3/8/38c25a74.jpg
武装漁船の正体は中国軍の民兵
ロイターの記事はさらに中国軍は漁師に「参加費」を支払った他に、体当たり攻撃が可能な金属製の大型船を買い与えている。
中国軍はは5万隻の漁船にGPSシステムを提供し、海警局や軍と交信できる無線機も備え付けた。
海南島の漁師や外交官は、一部の漁船には小型武器が搭載されているとも話しました。
こうした武装漁船の標的になっているのがベトナム漁船で、中国武装漁船による銃撃や体当たりで多くの犠牲を出しています。
フィリピン領でもインドネシアでも武装漁船が現地の漁船を襲い、続いて中国海警と中国海軍が漁船の「保護」を名目に海域を占拠しています。
尖閣諸島でも同じ事をしようとしているのは明白で、まず中国漁船が尖閣に侵入し、もしかしたら上陸するかも知れません。
続いて海警と中国軍が漁船の保護を名目に尖閣諸島に侵入し、めでたく占拠完了です。
2年前の小笠原の予行演習では、安倍首相は「絶対に中国漁船を取り締まるな」と命令したので、既に中国側は安倍首相の許可を得ているのです。
それだけではなく安倍首相は北京に出かけて事実上の謝罪をして、漁船団に引き上げて貰いました。
今回も中国側は「漁船団に引き上げてほしかった
ら漁船の行動を取り締まらず、首相が謝罪しろ」などと言うでしょう。
再度強調すると他国の漁船でも釣り船でも、自国のテリトリーで行動を黙認したら、それは相手の正しさを認めたという事です。
取り締まるなり威嚇射撃なり追跡なり、何かをしないと、国際法上は日本がその海域を放棄した事になるのです。