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アップルのTV配信が失敗 傲慢な態度でディズニーと敵対

「ルールは俺が決める。お前は従うか消えるかだ」このやり方は圧倒的な支配力を持っている時だけ通用する。
ジョブズ後のアップルは、『いつも』これをやっている。
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引用:http://p-gruporpp-media.s3.amazonaws.com/2015/09/13/1516286.jpg

アップル凋落の予感

最近のアップルは一時の冴えが見られず、やる事の多くでピントがズレていると感じさせる。

スマホのiPhoneは日本以外では頭打ち、タブレットも縮小し、アップルウォッチはブーム終了した。

それでも今までに販売したiPhoneユーザーがお金を使うことで、売上や利益は確保している。



アップルのビジネスモデルは製品の販売ではなく、購入した人が課金する事で利益を得るので、売れなくてもかまわない。

とは言え、販売シェアが低下したらいずれ課金収入も減少するので、先行きは暗くなる。

新製品が売れないのは、古い製品の製造を続けるだけの会社になったという事で、ウォークマンを作り続けるソニーに似ている。

最近のアップルの失敗作がアップルテレビで、アップルがテレビ局を支配し、傘下に治める壮大な計画でした。

アップルが「アップルテレビ」を発売する計画だったが、現在発売している同名の製品とは違う。

インターネットに常時接続したテレビが、各テレビ局から配信を受けて、利用者はアップルに料金を支払う。

各テレビ局は視聴者実績に応じてアップルから料金を貰うので、テレビ局がアップルの下請けのようになる。

アップルがApp Store iTunesでやっていた事をそのままテレビでやろうとした訳だが、アップルはApp Storeで3割引いている。

ゲームのポケモンGOは毎日1000万ドルの売上があるが、アップルが売上から3割引き、残りを渡している。

アップル離れの原因は傲慢さ

アップル社の「下請け」への傲慢な態度には定評があり、例えばNTTドコモとのiPhoneの交渉では、ノルマや罰金、制裁を打ち出して破談した。

販売台数の半分以上iPhoneを売り、目標台数に到達しなければ数千億円の違約金を支払う約束をして、ソフトバンクがiPhoneの販売権を得た。

現在はSB、AU、ドコモの3社で販売しているので、3社合計の違約金は数兆円と推測されます。

その交渉はアップルの担当者が「この台数を売るなら販売させてやる。売れなければ違約金数千億円を払ってもらう」という一方的なものだそうです。

iPhoneの製造を巡ってもシャープの他、日韓台湾中国の製造企業を天秤に掛けて、絞れるだけ絞ってきた。

アップルテレビを巡るテレビ局との交渉も傲慢そのもので、「条件を呑むなら番組を放送させてやる」という態度だったという。

WSJの記事によれば、アップル側はディズニーにライセンス契約で破格の安値を提示して、受け入れるよう迫った。

アップル創設以来の伝統は「お前が俺に従うなら、ビジネスをさせてやる。従わないなら追放だ」という映画『ゴッドファザー』の世界観である。

スティーブジョブズのアップル1号機からそうで、価格は自分の言い値で、高級車より高い値段で富裕層に売っていた。

アップルはiTunesで「1曲1ドルでお前の曲を売らせてやる」と言ってタダ同然で音楽の権利を得て、それが成功の原因になった。

「おれの命令に従うか、それとも消えるかだ」という手法はジョブズの交渉の上手さとして美談になっているが、早い話脅迫である。

いつもの調子でアップルはディズニーや米テレビ界の大物達に安値で権利を手放すよう「命令」したが、今のところ従っていない。

アップルテレビは失敗した

音楽業界が1曲1ドルで権利を手放したのは、その頃ネット上で音楽の無断コピーが横行していたからだった。

1曲1ドルでも無断コピーよりお金になるので、レコード会社やミュージシャン達は受け入れた。

現在ネット上にはテレビ局の番組を無断コピーしたサイトが存在するが、以前より管理されていて、特にダメージを受けていない。

むしろテレビの存在を脅かしているのはネット上の素人動画やゲームで、視聴者の時間を奪う事でテレビ離れを起こしている。

アップルテレビに低料金で配信しても、この状況が好転するとは思えない。

テレビ局は「時間を販売するビジネス」で、夕方のニュースを見た人は、娯楽番組を見てドラマを見て、深夜のスポーツ解説を見てから寝る。

全体として数時間を視聴者に販売するから儲かるので、1番組ずつばら売りしてもまったく儲からない。

アップルは人気番組だけをネットで配信し、しかも法外な低料金なので、番組のネット配信と同じようなものだった。

日本のテレビ局はBSやCSでも、テレビチャンネルごと所有して、自社番組を一日中流している。

そうする事で視聴者に時間帯を販売できるので、人気番組だけのばら売りだと利益は出にくい。

ディズニーや他の米TV企業はそれぞれが多くのテレビ局を傘下に持っていて、グループごとやチャンネルごとに販売している。

例えばディズニーチャンネルを契約すると月額3000円でディズニー映画を一日中放送していたりする。

繰り返されるジョブズ流

それをアップルは人気コンテンツだけ低価格で「放送させてやる。断るならこの世から消えるだろう」という交渉を行った。

10年後にテレビを支配するのはアップルであり、アップルに従わない限り生き残れないと言って脅した。

しかもアップル側から情報開示や約束は無く、失敗してもダメージを受けないようにしている。

アップルはテレビ局に広告無しの配信も求めたが、テレビ局側は怒って交渉を打ち切ったという。

アップルは大手テレビの傘下テレビ局との交渉を「まとめるように」命令し、これもテレビ界の大物達を激怒させた。

ディズニーはケーブルテレビなどから1兆円の収入を得ているが、アップルに3分の1の値段で売れば、他からも値下げを要求されるでしょう。

こうしてアップルテレビは失敗し、アップルは今度は「アップルカー」として自動車業界でも同じ事をしようとしている。

将来の自動運転はアップルが主導権を握ると言っているが、たぶん無理でしょう。

「俺が支配者だ。お前は従うか、消えるかを選べ」というジョブズ流をやめない限り、アップルが支配しない世界では上手く行かないでしょう。

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