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国産水陸両用装甲車を開発 米と共同研究

2015年に三菱重工が公開した試験車両

国産水陸両用装甲車を開発

防衛省は水陸両用の兵員輸送車AAV7の導入を進めているが、報道によると後継の水陸両用車の国産開発を決めたもようです。

産経新聞によると2017年度に50億円程度の研究予算を計上し、日米共同での開発を希望している。

2019年度までに初期研究を行い、2018年度予算に日米共同研究予算を盛り込む方針と書かれています。

日本側の事業者は三菱重工業で、既に試験車両は公開され、水中走行テストなどが行われていました。

戦車用の小型エンジンや水中航行システムに米軍が関心を示し、共同研究や共同開発を模索していました。

中期防では2018年度までにAAV7を52両導入し、水陸機動団などに配備される事になっています。

陸上自衛隊が導入したAAV7や、そもそも水陸両用車両とはどのような物なのでしょうか。

AAV7は1両約6億円で、水上では船のように航行し、接岸するとキャタピラで戦車のように陸上を走行します。

試作1号車は1967年で、「水陸機動団」が創設される2017年はちょうど50周年に当たる。

米軍は第二次大戦で日本やドイツ側の海岸に多くの上陸作戦を実行し、朝鮮戦争でも仁川上陸作戦を実行しました。

これらの作戦では上陸第一陣は歩兵のみで車両が無く、敵が待ち構えていると大きな被害を出す懸念がありました。

対策として考案されたのが海上を航行してそのまま上陸し、装甲車のように兵士を守りながら敵を征圧する車両でした。

敵前上陸はしない

だが兵器ではありがちな事ですが、完成以来米軍が大規模な敵前上陸作戦を実行する機会がなく、その意味では無用の長物になりました。

AAV7と同時期にヘリコプターというもう一つの上陸用装備が登場し、上陸の主役は強襲揚陸艦と大型ヘリに移行しました。

また大型ホバークラフトの登場によって、装甲車や戦車を海岸に上陸可能になり、AAV7は時代遅れになっていった。

だがベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争とAAV7は運用の柔軟性が高い輸送車両として活躍していました。

ある時はトラック、ある時は装甲車、川を渡渉したり、遮蔽物になったり、バリケードとして路上に置かれたりした。

本来の使い道から逸脱して活躍する兵器は多いが、海を渡るために開発されたAAV7は、砂漠の市街戦で特に活躍しました。

とはいえ自衛隊は砂漠ではなく、離島で使用するために導入するので、本来の水陸両用車として使用される。

水陸両用車としての欠点は速度が遅いことで、水中最高速度が7ノット(時速13キロ)、履帯航行ではさらに半分の速度です。

ウォータージェットで時速13キロなのだが、浅瀬では破損するので、履帯をぐるぐる回して水を引っかくように走行し、時速7キロ程度で航行します。

人間が歩く速度が時速6キロなので、歩くのと同じくらいしか出ません。

さすがに敵が待ち構えている海岸を時速6キロで上陸はありえず、これが本来の目的で使われなかった理由でした。

では自衛隊はAAV7を何に使うかというと、敵前上陸ではなく離島で使用できる兵員輸送車や軽装甲車だと想像できる。

尖閣諸島のような無人島や小さな離島で運用できる車両は限られていて、まず海水に浸かったり塩水を浴びると、多くの車両は錆びたり故障するでしょう。

AAV7は最初から海を泳ぐ前提なのでその点の心配が無く、多目的に利用できる。

無人島で兵士が活動するときに問題になるのが建物や遮蔽物がないことですが、AAV7は中東の砂漠や市街地でそうした使われ方をされていました。

アメリカが開発したが高価すぎて中止されたEFV
dan_efv7
引用:https://danieldeubank.files.wordpress.com/2010/07/dan_efv7.jpg

国産の水陸両用車の性能

三菱の試作水陸両用車は25ノット(時速約46キロ)近い速度を出したと言われていて、この高速性能に米軍が目をつけました。

米軍はM1エイブラムス戦車のエンジンを搭載した、水中速力50ノットの車両を開発したが、高価すぎるという理由で放棄されていました。

10式戦車のエンジンは1200馬力で戦車としては高出力ではないが、小型軽量なのが特徴です。

三菱が作った試験車両は2015年9月に公開され、完成予想図も公開されていました。

兵員輸送タイプと火砲型の2種類が描かれていて、火砲型は前部をカットして、機関砲か速射砲のような火砲を搭載している。

予想図ではタイヤが6輪だったが、三菱の試作車両ではキャタピラになっていました。

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