FRB前議長のグリーンスパンは2000年ごろからバブルを警告したが、アメリカ人は耳を貸さなかった。
画像はリーマンショックを起こしたバーナンキ議長。
引用:http://blog-imgs-36.fc2.com/g/a/m/gamefish/2008_0118_newscap.jpg
バブルの幻想
アメリカではまたバブル経済が発生し、NYの株価は史上最高値を更新し続けている。
振り返ると2007年からの世界経済危機の原因は2000年代のNYバブルだった。
その前のアジア通貨危機とITバブル崩壊も、NYバブルが原因でなかったとは言えない。
こうしたバブルの原因はいつも同じで、中央銀行が景気良くお金をばらまいて、経済活動が活発になったからだった。
日本でも1985年から日銀がお金を印刷しまくって、政府は大規模公共事業を連発したので景気が凄く良かった。
こういうバブルの時にその国の国民は「俺達は優秀な人間だから経済が好調なのだ」と考える。
バブル期の日本人や2000年代のアメリカ人、最近までの中国人、ドイツ人は皆こう言っていました。
経済や金融の知識がある筈の専門家すら、人々に警鐘を出すのを止めてしまい「我々は優秀で選ばれた人間なんだ」と言い始めます。
北朝鮮ですら1950年代には韓国より経済が好調だったので、自分達は経済運営の能力が高いと思っていました。
簡単なロジックとしてパチンコとか競馬とか宝くじで、思いがけず大金を手にしたとします。
すると当選した人は「運が良かった」とは絶対に考えず、「自分は優れていた」あるいは神から選ばれた人間だと考えます。
5億円に当選したら、確かに神から選ばれた気がしますが、事実は単なる偶然に過ぎません。
アメリカの株価が不当に吊り上げられると、数年後に必ずドルが下落して調整されます。
引用:http://chart.finance.yahoo.com/z?s=%5EDJI&t=my&q=c&l=off&z=l&a=v&p=s&lang=en-US®ion=US
株価を吊り上げるとドルが下がる
NYの株価もパチンコの大当たりと同じで、FRBという店主が釘調整で玉を出やすくしたから、大当たりが出ただけです。
アメリカでは長い間、株価収益率(PER)という独自の指数を重視して企業評価をしてきました。
実はあてにならない指数なのだが、アメリカでは有効だったので現在でも広く使われています。
アメリカの代表的株価指数を見ると、第二次大戦後一度も下げた事が無く、1930年台から80年以上上昇しています。
途中小さな下げは何度かあったものの、リーマンショックや暗黒の金曜日すら誤差に過ぎないほど、上昇を続けました。
株価収益率(PER)とはこういう株価が上昇しかしない国では有効で、日本のように「下げ」がある国では通用しません。
アメリカの投資専門家は今まで株価収益率(PER)を妄信していたのに、今は否定しています。
PERによれば現在のNY株価はバブルであり高すぎるという判断を示したからで、「PERなんかただの迷信だ」と言い始めました。
S&PのPERは18.8倍で、過去10年の平均である15.9倍を上回っている。
アナリストらは企業収益はもっと増えるとか、原油価格は回復するなどの根拠を元に、適正な株価はもっと上だと言っている。
だが客観的な事実として、第二次大戦後70年間で、ドルの価値は3分の1以下に下がった。
逆算するとアメリカの株価が3倍以上過大評価されたから、ドルが下落する事で調整されたと言える。
変動為替制にはこのように、ある国で高すぎる価格や、安すぎる価格を調整する機能があります。
逆に日本の株価は不当に安く評価されていたので、為替レートが円高になることで調整されました。
アメリカが強引にNYの株価を吊り上げて屁理屈を言うのなら、将来またドルの価値が下がり、超円高になるでしょう。