千島樺太の旧日本領には莫大な資源が眠っていて、両国はこの資源が欲しい。
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9月に日露首脳会談
日本とロシアは日露首脳会談にむけた調整を詰めていて、9月に実現すると考えられています。
安倍首相がロシアを訪問し、北方領土に近い極東のウラジオストクで9月2日にプーチン大統領と会談すると伝えられています。
安倍首相はウラジオストクで開催される「東方経済フォーラム」に招待されていて、夕食と会談が想定されています。
北方領土問題、平和条約締結交渉、5月に安倍首相が提案した経済協力などがテーマになる。
5月の日露首脳会談で両者は「新しいアプローチ」で北方領土交渉を行う事に合意していました。
今まで日本側は北方領土全島一括返還を条件にしていたので、「新しいアプローチ」は領土返還を伴わない交渉と解釈できます。
北方領土は返還されないのに、日本がお金を払って過去の戦争を謝罪するという、中国や韓国で繰り返したのと同じになる可能性があります。
日本側は平和条約締結と経済協力の協議を、同時並行で進めるとしてます。
日露両政府は8月26日、首脳会談に先立って外務省高官による平和条約締結交渉をモスクワで行った。
ロシアとしては領土を返還せず経済協力だけを引き出し、かおかつ平和条約交渉を締結したいと考えている。
ロシアはウクライナ内戦とクリミア併合で欧米諸国から制裁を受けていて、日本も制裁に参加しています。
日本の制裁は実質的に意味の無いものばかりで、経済協力したとしても制裁を解除したことにはなりません。
極東の地下資源を日本に売る交渉
だがロシアは日本から経済協力を引き出せば、「日本はロシア制裁から離脱した」と世界に宣伝するでしょう。
日露平和交渉締結となれば事実上ロシアと準同盟関係になるわけで、アメリカ陣営と距離を置く事になる。
アメリカは北方領土交渉にも日露経済協力にも反対していて、日米関係を損なう事になると脅しています。
過去の日露あるいは日ソ交渉が全て破綻したのも、アメリカの反対を日本政府が考慮したからだとされています。
日本の安全が保障されてきたのは日米安保条約があったからであり、今も中国が尖閣諸島を襲わないのは沖縄に米軍基地が存在するからです。
安倍首相がアメリカの反対を振り切って日露平和条約を締結するとは考えにくいが、北方領土返還に利用するかも知れません。
経済協力は進めるとして、日露平和条約を締結するなら4島返還が必要だ、といって断るなどが考えられます。
その経済協力とは何かというと、近年続々と千島列島や樺太でエネルギーや地下資源が発見されています。
石油や天然ガス、鉱物資源合計2.5兆ドル分が眠っていると計算されていて、利用できればロシアは経済苦境から脱出できる。
ロシアの天然ガスの価格は安く、現在日本がLNGタンカーで運んでいる4分の1程度と言われています。
ロシアは樺太や千島海域で算出する石油や天然ガスを、パイプラインなどで日本に売る計画を、以前から持っています。
樺太南端から北海道までは約43キロで、技術的には何の問題も無いが、北方領土問題とアメリカの反対が障害になっていました。
この2つをどうやって回避するかが首脳会談の本当のテーマだと考えられるが、さてどうするのでしょうか。