頭を抱えて顔を歪めるポーズの連発から、一転してニコニコし始めた。
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9月20日から21日に行われる日銀政策決定会合で、黒田総裁がさらなる金融緩和に踏み込む観測が強まっている。
9月21日に何かが起きる?
日銀がヘリコプターマネーの実施に踏み切るという見方が、日増しに強まっています。
黒田総裁は8月27日に米ワイオミング州ジャクソンホールで講演し、さらなる金融緩和への意欲を語った。
否定的な見方もあるマイナス金利政策については、資金需要が刺激され効果はあったと評価しました。
マイナス金利によって借り入れ金利も下がり、幅広い借り入れ主体に恩恵を与えているとも語った。
マイナス金利の限界については、まだかなりの距離があると再度の利下げも示唆しました。
マイナス金利政策によって、長期・超長期の国債金利は大幅に低下したと指摘しました。
国債金利が下がった事で国の返済金額が減少し、確かに財政の資金繰りは改善されています。
マイナス金利が進むと、企業は現金で溜め込むようになり、経済を悪化させるとの見方には「まだまだ先だ」と強調した。
先日の日銀政策決定会合後の記者会見では頭を押さえて苦悩を滲ませたが、この日は強気の黒田節を連発していた。
7月29日の黒田総裁会見では、もう打つ手はなにもないといった印象で、緩和政策の撤回が囁かれていた。
それから約1ヶ月の間に、日銀はヘリコプターマネーを決断したのではないかと言われている。
ヘリコプターマネーは中央銀行がお金を印刷してばら撒く事だが、方法は必ずしも決まっていません。
国の莫大な借金
第一次大戦や第二次大戦では、参加各国は戦争資金を捻出するために、お金を発行しては軍備に使いました。
戦争に勝つか負けるかという時に「財政の健全性を損なう恐れが」などという意見はかき消され、戦車や軍艦を作りました。
お陰で負けた日独伊も含めて、世界大戦参加国は大変な好景気に沸き、経済イベントしては歴史上最大の成果を得ました。
膨れ上がった国の借金は敗戦国は国が破産する事でチャラにして、戦勝国はインフレで消してしまいました。
イギリスでは今も100年以上前に発行した借金が残っているが、政府は中央銀行に支払うつもりは無いようです。
アメリカも数万機にも達する大型爆撃機や、数十万機の戦闘機、百隻以上の空母など膨大な支出をしました。
ある試算ではアメリカは4年間でGDPの3倍、日本は8年間でDGPの8倍もの軍事費を使いました。
1年間ごとだと両国とも、GDPにほぼ等しいほどの軍事費を投入していた事になります。
これほどの「無駄遣い」をしてもアメリカは破産しなかったし、日本が破産したのは借金ではなく戦争に負けたからでした。
もし日本が戦争に勝っていたら、戦費の借金で破産はしなかったでしょう。
このように国がどんなに莫大な浪費をしても、それだけでは国は破産しないものなのです。
アメリカは莫大な戦費を浪費した事で世界の覇権を手に入れ、元を取った上に、お釣りが来るほど大儲けして繁栄の時代を迎えました。
日米が世界大戦で使用した戦費を現代に置き換えると、日本は毎年500兆円、アメリカも1300兆円位を毎年使った事になります。
「日本の借金がGDPの2倍」とかどうでも良くなるほどのレベルでした。
黒田バズーカ再び発射か
日銀は9月20日の政策決定会合で、今までの政策の総括的な検証を行うと発表していました。
黒田総裁の苦悩の表情からは、日銀内部で黒田砲への批判が強まり、政策転換を求めているようだった。
だがワイオミング州の黒田講演を見ると、どうやら反対派の委員を押さえ込み、さらなる黒田砲を撃つ算段ができたように見える。
黒田総裁が就任した頃、日本政府は経済成長率2%、日銀はインフレ率2%を掲げていたが、実際はどちらも0%に止まっている。
惨憺たる結果で惨敗と言っても良いが、原因は政府が行った緊縮財政と増税であると見当がついた。
緊縮財政や増税をした理由は政府にお金が無いからで、無ければ印刷すれば良い、というのがヘリコプターマネーです。
欧米アナリストの予想によると、黒田総裁は批判が強い「ヘリコプターマネー」という言葉を使わず、むしろ否定する意見を示す。
その一方で日銀は国債の買い取りペースをさらに加速させ、通貨供給も拡大する。
現在の法律では日銀が直接国債を買い取るのは違法だが、例えば特殊法人や民間金融機関を通せば問題ない。
永久国債の発行も検討されていると言われていて、名前の通り永久に返済しなくて良い国債です。
永久でなくても50年債や100年債、1万年債だっていいわけで、日銀が買い取って穴を掘って埋めれば政府は返さなくて済む財源を手に入れる。
黒田総裁はポリシーミックス実施について言及した事があり、日銀が発行したお金で政府が財政支出を増やすという意味だと考えられる。
9月21日に予定されている日銀政策決定会合の発表では、おそらく何かを発表するのではないでしょうか。