突然閉鎖されたシチズンの工場(2015年)

引用:http://www.zenshin-s.org/zenshin-s/sokuhou/2014/photo/20150210a-2.jpg
ソニー工場売却を巡って労働争議
11月7日、ソニーが中国の製造子会社である索尼電子華南を、深圳欧菲光科技(オーフィルム)に売却したと発表しました。
ソニーのカメラモジュールを製造していたが99億円で譲渡され、工場はオーフィルムに引き継がれると発表されました。
スマホ用カメラやデジカメの市場縮小でソニーはカメラモジュール部門縮小を進めていて、市場では好感されソニーの株価は上昇しました。
カメラモジュール部門は2016年1月から6月までの半年間で、約800億円の損失を計上していて、会社のお荷物になっていた。
ところが発表直後から売却に反対する従業員が工場で抗議を始め、11月10日には操業できなくなり、20日ごろからストライキに発展しています。
10日ごろから従業員は建物を封鎖してバリケードなどを作り、15日には警察が出動したが、事態は収束しませんでした。
従業員は「売却を許さない。売却するなら補償金を払え」などと訴え、ソニーに要求を呑むよう求めていました。
ソニー側は「誠意を持って対応したい」と話し合いを持ち、24日になって突然工場は稼動を再開した。
ソニーは従業員側が求めた金銭補償には「一切応じなかった」と説明したが、扇動者らに裏金を渡したのは確実と思われています。
広東省広州市のカメラモジュール工場では4000人の雇用が維持され、中国企業に引き継がれるので、問題は起きないとソニーは考えていたようです。
ソニーの平井社長は帰国子女で、アメリカでのビジネス経験が豊富なため、中国の事情などを良く知らなかったようで、アメリカと同じように考えたのかも知れない。
こうした閉鎖や売却にまつわる暴動はソニーが初めてではなく、他の多くの中国工場でも過去に発生していました。
正しい閉鎖方法は夜逃げ
事前に工場閉鎖や解雇を発表すると従業員は暴動を起こして会社に損害を与えて、交渉に応じさせようとするので、中国では上手い撤退方法が考案されていました。
それは「休暇型失業」「休暇型倒産」というもので連休が明けて従業員が工場に出社してみると、ゲートには「会社は倒産しました」という1枚の紙切れが貼ってあります。
工場の機材や資源は連休の間に運び出されてもぬけの殻、工場長や経営陣も雲隠れして探しようが無いという具合です。
日本企業で上手かったのはシチズンで2015年2月5日、昼休みの放送で突然会社の解散を宣言し、即時閉鎖されて夜逃げならぬ白昼堂々と中国から逃げ出しました。
シチズンは中国に投資した全てを放棄し、中国の役人と会社役員に多額の賄賂まで支払って、撤退を急いだようです。
中国で会社を解散させたり、売却、工場閉鎖をするには共産党や政府の許可、中国人役員の賛成などが必要で、原則として撤退は不可能になっています。
不可能な事もお金を払えば可能になるのが中国の資本主義で、工場など資産一切を放棄して、合弁会社そのものも中国に差し上げ、役人に賄賂を払えば許可されます。
中国は「計画経済」なので生産を増やすのは勝手に出来るが、政府の許可を得ずに生産を減らすのは反社会主義の犯罪であり、経営者は逮捕されます。
ソニーの何が不味かったかは、まず工場を売却して実際に引き渡してから発表するべきで、事前に公表するべきではなかった。
やはり連休明けがベストで、従業員が田舎に帰って出社したら看板がソニーから中国企業に変わっていた、というのが最良でした。
次にシチズンは会社を解散させて資産放棄したが、ソニーは99億円で譲渡していて、この資産を残しておきたかったようです。
言ってはなんだが100億円弱の為に暴動を起こす従業員を抱え込むよりは、解散させたほうが後腐れがなかった気もします。
サムスンの場合は
『韓国のソニー』がキャッチコピーだったサムスン電子の場合はソニーより酷く、2015年7月20日に傘下の蘇州普光が倒産しました。
同社はサムスン製スマホ用電子部品を製造していたが、中国でサムスンスマホのシェアが低下して、現地下請け企業が連鎖倒産しました。
サムスン下請けの蘇州普光は韓国の財閥、普光グループが経営していたが、2015年6月に韓国人の工場責任者が突然いなくなり、韓国に帰国してしまった。
7月1日からは操業が停止し、7月20日に倒産が報道されたが、暴動に巻き込まれたり当局に拘束されるのを恐れて夜逃げしたようです。
責任者がいなくなった工場は銀行に差し押さえられて、従業員3000人は放置され、その後工場は清算整理されました。
中国は外資の撤退を歓迎しないため、中国での工場閉鎖や所有権移転は、ある意味こうなるしかないのです。

引用:http://www.zenshin-s.org/zenshin-s/sokuhou/2014/photo/20150210a-2.jpg
ソニー工場売却を巡って労働争議
11月7日、ソニーが中国の製造子会社である索尼電子華南を、深圳欧菲光科技(オーフィルム)に売却したと発表しました。
ソニーのカメラモジュールを製造していたが99億円で譲渡され、工場はオーフィルムに引き継がれると発表されました。
スマホ用カメラやデジカメの市場縮小でソニーはカメラモジュール部門縮小を進めていて、市場では好感されソニーの株価は上昇しました。
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カメラモジュール部門は2016年1月から6月までの半年間で、約800億円の損失を計上していて、会社のお荷物になっていた。
ところが発表直後から売却に反対する従業員が工場で抗議を始め、11月10日には操業できなくなり、20日ごろからストライキに発展しています。
10日ごろから従業員は建物を封鎖してバリケードなどを作り、15日には警察が出動したが、事態は収束しませんでした。
従業員は「売却を許さない。売却するなら補償金を払え」などと訴え、ソニーに要求を呑むよう求めていました。
ソニー側は「誠意を持って対応したい」と話し合いを持ち、24日になって突然工場は稼動を再開した。
ソニーは従業員側が求めた金銭補償には「一切応じなかった」と説明したが、扇動者らに裏金を渡したのは確実と思われています。
広東省広州市のカメラモジュール工場では4000人の雇用が維持され、中国企業に引き継がれるので、問題は起きないとソニーは考えていたようです。
ソニーの平井社長は帰国子女で、アメリカでのビジネス経験が豊富なため、中国の事情などを良く知らなかったようで、アメリカと同じように考えたのかも知れない。
こうした閉鎖や売却にまつわる暴動はソニーが初めてではなく、他の多くの中国工場でも過去に発生していました。
正しい閉鎖方法は夜逃げ
事前に工場閉鎖や解雇を発表すると従業員は暴動を起こして会社に損害を与えて、交渉に応じさせようとするので、中国では上手い撤退方法が考案されていました。
それは「休暇型失業」「休暇型倒産」というもので連休が明けて従業員が工場に出社してみると、ゲートには「会社は倒産しました」という1枚の紙切れが貼ってあります。
工場の機材や資源は連休の間に運び出されてもぬけの殻、工場長や経営陣も雲隠れして探しようが無いという具合です。
日本企業で上手かったのはシチズンで2015年2月5日、昼休みの放送で突然会社の解散を宣言し、即時閉鎖されて夜逃げならぬ白昼堂々と中国から逃げ出しました。
シチズンは中国に投資した全てを放棄し、中国の役人と会社役員に多額の賄賂まで支払って、撤退を急いだようです。
中国で会社を解散させたり、売却、工場閉鎖をするには共産党や政府の許可、中国人役員の賛成などが必要で、原則として撤退は不可能になっています。
不可能な事もお金を払えば可能になるのが中国の資本主義で、工場など資産一切を放棄して、合弁会社そのものも中国に差し上げ、役人に賄賂を払えば許可されます。
中国は「計画経済」なので生産を増やすのは勝手に出来るが、政府の許可を得ずに生産を減らすのは反社会主義の犯罪であり、経営者は逮捕されます。
ソニーの何が不味かったかは、まず工場を売却して実際に引き渡してから発表するべきで、事前に公表するべきではなかった。
やはり連休明けがベストで、従業員が田舎に帰って出社したら看板がソニーから中国企業に変わっていた、というのが最良でした。
次にシチズンは会社を解散させて資産放棄したが、ソニーは99億円で譲渡していて、この資産を残しておきたかったようです。
言ってはなんだが100億円弱の為に暴動を起こす従業員を抱え込むよりは、解散させたほうが後腐れがなかった気もします。
サムスンの場合は
『韓国のソニー』がキャッチコピーだったサムスン電子の場合はソニーより酷く、2015年7月20日に傘下の蘇州普光が倒産しました。
同社はサムスン製スマホ用電子部品を製造していたが、中国でサムスンスマホのシェアが低下して、現地下請け企業が連鎖倒産しました。
サムスン下請けの蘇州普光は韓国の財閥、普光グループが経営していたが、2015年6月に韓国人の工場責任者が突然いなくなり、韓国に帰国してしまった。
7月1日からは操業が停止し、7月20日に倒産が報道されたが、暴動に巻き込まれたり当局に拘束されるのを恐れて夜逃げしたようです。
責任者がいなくなった工場は銀行に差し押さえられて、従業員3000人は放置され、その後工場は清算整理されました。
中国は外資の撤退を歓迎しないため、中国での工場閉鎖や所有権移転は、ある意味こうなるしかないのです。