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不動産業界と政府が隠す 住宅購入本当の費用

新築住宅は一戸あたり2000万円の借金と考えると魅力も半減する
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夢の新築一戸建て

景気が良いか悪いかを判断する指標に新設住宅着工件数があり、1年間に立てた住宅の数という事になります。

この数字が多いと政府は鼻高々で、総理大臣は自分の政策の成功に満面の笑顔を浮かべます。

2017年は約89万戸で2018年は95万戸、リーマンショック以前は100万戸、1990年代は150万戸もありました。



日本の住宅の着工件数は順調に減少している訳ですが、理由は不況と人口減少のためと説明されています。

ところがより詳しく原因を探ってみると、日本で新築住宅を買う(建てる)のは、経済的な自滅に等しいのでした。

分譲住宅やマンション販売のパンフレットには必ず「今の家賃で持ち家を買える」と書いてあります。

だが現実に一戸建て住宅を買うと、賃貸より遥かに大きな費用負担が生じる上に、多額の借金を背負います。

最も問題なのはこの借金で、新築分譲住宅の価格は2000万円から3000万円の価格帯が多く、多くの人は目一杯の計画を立てます。

返済期間は上限の35年または夫が75歳になるまでの短いほう、自己資金は数百万で借り入れは1500万から2000万円が多いでしょう。

現在は日銀のマイナス金利政策で超低金利ですが、昔の住宅ローンは7%前後の高金利だったので、変動金利なら金利上昇も予想しなくてはなりません。

今は1.5%未満の金利が10年後に3%、20年後に6%に上昇していても、まったく不思議はないのです。

1%の時に返済計画を立てて6%に金利上昇したら、返済不能になって家を売却せざるを得なくなるでしょう。

金利と住宅ローン

固定金利だと現在は年利2%前後というところで、場合によっては1%を切っている変動金利の2倍も金利支払いが多くなります。

だが今後35年間に金利が2%を超えないというのは、ほとんど考えられない事なので、低金利のときに固定金利ローンを組んだほうが有利になります。

結果論で損か得かではなく、突然日本がインフレになり変動金利が8%に上昇したら、破産するしかなくなるからです。

多くの人は金利2%か3%で2000万円近い住宅ローンを組むのですが、2%で35年払いだと約780万円の金利が付き合計2780万円の支払いになります。

毎月の支払額は6万6千250円で多くの人の家賃に相当し、「自分の家になる」からお得に感じます。

これが金利3%だと元金2000万円と金利約1200万円で合計3200万円、毎月約7万7千円の支払額になります。

1990年代以前の住宅ローン金利は4%から8%だったので6%で計算すると、元金2000万円に対して金利約2790万円、月額11万4千円の支払いでした。

さらに35年ではなく30年や25年にすると、毎月の支払い金額は15万円+ボーナスのようになります。

金利2%で35年払いだと楽に返せるが、少し金利が上昇しただけで、すぐに計画が破綻するのが分かります。

変動金利ローンはこうしたハイリスクを負う「自滅ローン」ですが、固定金利2%で35年ローンの審査に通っても、人生楽勝モードとは限りません。

一戸建て住宅を購入すると住宅ローン以外にも多くの費用がかかり、不動産屋は決して購入前に説明しないからです。

固定資産税、都市計画税、修繕コスト、リフォーム準備金、火災・地震保険の合計は毎月数万円は掛かります。

住宅は建てた瞬間から負債になっている

うまい事低金利の長期ローンを組んだとしても、実際に必要になる金額は「住宅ローン+毎月数万円」になります。

「予想より支出が増えた」ことはあっても「思ったより安かった」とは決してならないのが一戸建て新築住宅です。

もっと大きな問題があり、新築住宅は建てた瞬間からその人の「借金」であり、30年間は自分の「資産」ではないという事です。

住宅情報サイトを見るとローンを払い終わった築35年以上の中古住宅が、1000万円以下で良く売り出されています。

外観も中身も結構古びた印象で、正直「買う人なんか居るのかよ」という感想を持つ場合も多いです。

新築ピカピカだった家も35年後にはそうなっていて、売りに出しても「家」の値段は評価ゼロで買い取り価格は「地価マイナス取り壊し費用」になります。

2000万円の家を買って35年間で金利と維持費で4000万円ほどを支払う筈ですが、ローンを払い終わった時の査定額は(良くて)500万円ほどです。

だがこれは35年間、遅延などの事故なく無事に支払った人の場合で、途中で払えなくなったら悲惨な出来事が待っています。

住宅ローンの支払いは元利均等返済なので、その時点の残債の金利を常に支払い続けます。

つまり2000万円借りたら最初は2000万円の2%=40万円(÷12)の金利を毎月払うので毎月3万3千円の金利を支払います。

最後の方は残金100万円として100万円の2%=2万円(÷12)=毎月約1700円の金利を支払います。

月々7万円の支払い金額だとしたら、最初は支払い金額の半分が金利返済で、なかなか元金が減らない状態になります。

返済不能住宅ローンの怖さ

支払い期間30年で10年払ったら借金は3分の1減るのではなく、4分の1とか5分の1しか元金が減っていない事になります。

ところが新築住宅の価値は10年ごとに半分に落ちると見てよく、35年後に残るのは「土地の値段ー解体費用ー売却経費」という事になります。

返済終了までのどの期間で考えても、途中で返済不能になったら、家を売却しても多額の借金だけが残ります。

例えば2000万円を年利2%の固定金利で35年間借りて毎月6万6250円を10年間支払った時点で、残債は1563万円で支払い済み金額は795万円になります。

795万円払って減った借金は437万円、20年経過時点でも借金は1030万円も残っています。

20年経過時点で返済不能になると、建物の査定額はほぼゼロになっていて、売却しても500万円くらい借金が残る状態でしょう。

これが年利3%や4%だともっとキツイ事になり、金利だけを払い続けているような状態になっています。

新築住宅が借金ではなく本当の「資産」になるのはローンをほぼ払い終わった後で、その頃には大規模なリフォームが必要になります。

築40年でも倒れたりはしませんが、先送りにするほど一度に多額のリフォーム費用が掛かります。

その度にまたローンを組んでいたら、住宅は永遠に「負債」のままで、資産になる事はありません。

もし賃貸住宅でそれほど苦痛を感じていないなら、「夢の新築一戸建て」は夢のままにしておいたほうが、いいかも知れない。

賃貸住宅には金利支払いや資産の目減りがないし、何より多額の借金を背負う精神的苦痛が無い。

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