買取価格は下がるばかり
引用:http://taiyoukou-navi.info/img/clipimage_81.jpg
固定買い取り価格の引き下げ
最近は下火になったが一頃「太陽光投資」がブームになり、住宅の屋根にソーラーパネルを張るのが流行しました。
さらに空き地にソーラーパネルを設置してメガソーラーならぬプチソーラー発電をする人が多かった。
発電した電気は大手電力会社が固定価格で買い取り、国が買い取り価格を決めて強制的に買い取らせていました。
その結果太陽光発電のコストが電気料金に上乗せされ批判を受けるのだが、売電した人は濡れ手に粟の利益を手にしました。
固定買い取り価格は最初が最も高く、徐々に下げられていったので、最初に参入した人が最大の利益を挙げて、後から参加した人はそれほどでもなかった。
2012年7月1日に固定価格買取制度が始まった時、買い取り価格は42円または43円だったのが、2017年4月からは21円または28円(10kW未満)に引き下げられる。
将来的には経済産業省は18円に下げると発表していて、事業用買い取り価格はその後はもっと下げるでしょう。
小規模発電所と家庭用ソーラーは、大規模ソーラーより高価格が維持されるが、当初の半額以下の20円/kWh程度まで下がるのは避けられない。
2012年ごろに屋根や空き地にソーラーパネルを設置した人は、20年間買い取り価格が保証され、およそ8年で初期投資を回収し、後は利益を受け取るだけになる。
初期投資を8年間回収できないのはハイリスクに思えるが、実際には発電開始してすぐに転売すると、投資した資金の1.5倍程度で売れるそうです。
ずっと自分で発電して利益を得てもいいし、適当なところで転売して現金に換金するのも自由なのです。
買取価格が36円/kWhから21円/kWhに下がると初期投資を回収するまでの期間が8年間から14年に延び、利益を受け取れるのは6年間になります。
太陽光発電に支払う費用
買取価格がもっと下がると年間の表面利回りは10%程度になり、リスクに対して割りに合わなくなります。
買取価格が引き下げられた理由は電気料金への負担転嫁が年間2兆円、1世帯当たり年間9000円にも達するからで、このまま続けたら2万円や3万円になってしまう。
政府は再生エネルギー買取の年間総額を4兆円に抑える方針なので、既に目標の半分の買取を行っている事になる。
政府は再生エネルギーが総電力に占める比率は最大22%としいて、2016年の自然エネルギー発電実績は15%から20%未満だったと見られている。
自然エネルギーには水力発電が含まれるので、「再生エネルギー」よりも7.5%程度高い数字になるとされています。
という事は2016年の再生エネルギー発電は総発電量の10%程度であり、政府が掲げる20%以上の半分という事になります。
すると再生エネルギー発電が20%になると、買取総額は4兆円で、1世帯当たり年間2万円程度の負担になります。
原発事故前の2010年の世帯平均電気料金は月約8500円で年間10万2,000円、2015年には月約9400円で年間11万2800円でした。
年10万円だった電気料金が再生可能エネルギーの負担で2万円増えて12万円になり、かなりの不満が出てくるでしょう。
今後の実利回りは5%程度か
税金で買い取れば良いという意見もあるが、結局は同じことであり、しかも電気を節約する人ほど損をする事になる。
過去に事業認可を得ていた場合も、実態が無いと見なされて、新制度になって大量取り消しされたと見られている。
買取価格が高いうちに認可だけ受けて権利を転売しようとする事業者が多く、既に認可した発電量だけ、稼動すれば政府の目標を達成するとも言われている。
政府は太陽光発電になるべく参入させないようにして抑える政策を鮮明にしていて、もし超過すればそれだけ家庭負担が増加してしまう。
市場原理と乖離した買取価格で買い取って、電気料金の値上げとして消費者に押し付ける方法は、理解を得られそうに無い。
太陽光発電には初期投資以外に毎年のランニングコストや税金も掛かるので、机上の表面利回りの半分程度の利益しか出ません。
すると年間の実利回りは今後は5%前後のような、平凡な数値に収束していくと考えられます。
わらしべ長者のように太陽光発電で資産が増えていく時代は、終わったと言えるでしょう。