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ロシアに仕掛けたアメリカの罠 プーチンはどうして孤立したのか

外交音痴オバマとKGBプーチンは、水と油のように反発した
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引用:https://jp.sputniknews.com/images/98/41/984198.jpg

ロシアの苦境

ロシアでは2012年5月に2度目のプーチン政権が発足して以来、国内世論というものが無くなり、プーチンに賛成する意見だけになった。

選挙では常にプーチン勢力が圧勝し、世論調査でもプーチンと政府の支持率は主要国でトップを維持している。

だがプーチン大統領のいくつかの失敗によって、ロシア経済は破綻の危機に陥り、今も非常に厳しい状況にある。



ロシア連邦統計局によると2016年末の貧困層は約1980万人で、1年前より30万人増えていた。

ロシアの人口は1億4300万人で、ソ連崩壊前からずっと減少傾向にあり、少子高齢化ならぬ少子短命型社会になっている。

平均寿命は70歳と西側諸国より5歳から10歳短く、国外に移住する人が多く、13%が貧困生活をしている。

AFPによると西側の対ロ制裁前の2014年に貧困層は1610万人だったので、経済制裁は確実にロシアを貧しくしたのが分かる。

ロシアはプーチンが最初に大統領に就任した2000年代には、原油や資源価格の高騰で大儲けし、「新ロシア人」という富裕層も生まれました。

ロシア経済は西側から歓迎されてサミットはG7から「G8」になったが、ある大失敗によって西側経済から排除される事になった。

ウクライナ危機で経済制裁

それは勿論2014年に起きたウクライナ危機で、プーチンとロシアはアメリカのオバマ大統領の出方を完全に見誤った。

プーチンは旧ソ連KGB出身で国際政治と軍事のプロ、オバマは外交音痴とアメリカ人から揶揄されるほど外交は苦手だった。

ウクライナは本来もっと小さな少数民族の国だったが、旧ソ連が統合して現在のウクライナをつくり、ソ連崩壊以降もずっとロシアの支配下にあった。

ウクライナにはロシア人やロシア系居住者が多く、独立後の大統領はずっと親ロシアだったが、そこにアメリカがちょっかいを出してきた。

2005年から2010年まで反ロシア、親米のシモチェンコ大統領が自由主義を唱えたが、政治腐敗が酷くて失脚し、2010年に再び親露派のヤヌコーヴィチが当選した。

するとアメリカはヤヌコーヴィチは非民主的だから選挙は無効だと言い出し、爆弾や火炎瓶でテロを起こすような連中を公然と支援し、「テロ資金」を提供した。

ウクライナテロはアメリカの支援で拡大の一途を辿り、2014年には全土を戦場にする暴動に発展し、政府がテロリストに占拠されたため、ヤヌコーヴィチは任期を1年残して失脚した。

呆れた事にアメリカは、一応民主的な選挙で当選したヤヌコーヴィチを独裁者だと批判し、テロで政府を占拠した新政権を「民主的だ」とすぐに承認したのだった。

これでロシア人とプーチンのアメリカへの憎悪が沸点に達し、以降外交上の損得を度外視して、「鬼畜米英」への復讐に走ってしまうのだった。

米ロ関係がこじれた経緯

それは正に、第二次大戦前に「南京事件」「盧溝橋事件」などでっち上げで汚名を着せられた日本人が「アメリカ人だけは生かしてはおかない」と復讐に突っ走ったのと同様だった。

やってもいない「戦争犯罪」をでっち上げたり、選挙でその国の国民が選んだ人物を「独裁者」呼ばわりしてテロを起こさせたり、アメリカはこういう事をずっとやってきたし、大好きなのである。

アメリカ先住民の「インディアン」という蔑称で呼ばれた人達は、5000万人も居たらしいが、このような手口で分断され現在は勢力としては壊滅している。

アメリカがハワイを併合した手口も同じで、濡れ衣で汚名を着せたり、テロを起こさせたりし、犯罪者に仕立て上げて自分の領土にした。

全てアメリカに非があり、プーチンの主張は100%正しいのだが、世の中は「正しい」事と損得勘定は別なのだった。

オバマは歴代大統領で一二を争う外交音痴だったから、そんな事をしたらロシア人の怒りが爆発すると思わなかった。

プーチンはオバマがやったのと同じ手段でウクライナ東部とクリミアで反米独立運動を起こさせ、クリミア半島を住民投票によって併合してしまった。

ここでも正しい手続きを踏んだのは、クリミアで住民投票を行ったロシアだが、この際正しいかどうかはもう関係がなくなっていた。

オバマは自分の唱えた「正義」が侮辱されたのに激怒し、オバマの激怒とプーチンの激怒は経済制裁になってロシアに降りかかった。

プーチンは活路を求めてシリアに軍を派遣して、アメリカと対立するシリア政府を支援し、反政府勢力を空爆している。

オバマは退陣し米民主党が破れたが、シリア政府とアメリカの関係は険悪化し、トランプ大統領はついに、シリアとの戦争を口にしている。

現在の米ロ情勢はざっとこんな所で、オバマ大統領が外交をまったく理解せず、プーチンが怒りを制御できなかった事から修復困難になっている。

アメリカ伝統の戦法とは

損得勘定を考えたら、日本はアメリカの要望を聞き入れて占領した中国の一部を譲渡すれば良かったし、プーチンはウクライナでアメリカの利権を認めれば良かった。

アメリカ人が求めているのはいつの時代でも「金」であり、ビジネスパートナーとして満州やウクライナの共同経営者になるべきだった。

無理難題を吹っかけてきて相手を激怒させ、濡れ衣で汚名を着せて失墜させるのは、アメリカの伝統芸能とすら言える。

アメリカの建国以来(以前)からの常套手段が敵対国家で暴動を起こさせる手段であり、割愛するがフランス革命も、フランスへの借金で苦しんだアメリカが暴動を起こすよう仕向けた。

当然ロシア国内でも、反プーチン暴動を起こすようにアメリカは活動していて、プーチン政権は必然的に国内民主化を弾圧する。

アメリカは日米貿易摩擦が激化した1990年代には日本でも「民主化」(暴動と同義語)を煽動し、非自民政権の必要性を熱心に主張していた。

2000年代後半に「アラブの春」というイスラム民主化運動があり、香港の民主化暴動にも一枚絡んでいる。

これらはどれも失敗に終わり、首謀者は処罰されたり、かえって混乱を引き起こした。

ロシアでは現在、若者による民主化デモが全国に広がり、反プーチン運動が活発化しているが、アメリカが背後で後押ししていると見るのが自然です。

政府はデモを呼びかけるサイトを閉鎖したり、先導者を拘束して防止しているが、放置すればロシアそのものがウクライナになるでしょう。

こうした暴動の種を各国で植え付けて、煽動して資金援助しているのがアメリカだと言われていて、軍事力を用いずに敵国を倒す諜報戦の一環です。

これからも世界に紛争の種は尽きないでしょう。

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