日米金利差が開くほど、経済危機で突発的に円が買われやすくなる
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引用:http://blog-img.esuteru.com/image/article/201310//496bdce4ee639254c8f11282224b5a71.jpg



米利上げなのにドル安

2015年12月に米FRB中央銀行が約8年ぶりに利上げしたとき、日本では「輸出で大儲けできる」という謎の楽観論が主流でした。

日本のエコノミストは米利上げによってドル高になり、円安をもたらすので日本の輸出が増えると考えました。

だが実際には米利上げ以降ドル安が進行し、同時に円安でもあるので、ドル円は相対的に以前のままです。
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1ドル110円前後が居心地が良いらしく、長い間続いていますが、為替レートはどんなに努力しても、同じ場所に留まる事ができません。

米利上げの進行とともにドル安が進行し、資産目減りを嫌った投資家は「値上がりする通貨」の円を買い円高になるでしょう。

米利上げしたらドル高円安になる筈なのに、どうして逆の事が起きると言えるのでしょうか。


実は「利上げした通貨は高くなる」は本当であり、同時に「利上げした通貨は下落する」も両方本当なのです。

ただ時間軸が違い、利上げして上がるのは金利差で儲かるため、短期的に投機や投資によって上がります。

例えば米金利が0.25%だったのが1%に上がったら、金利収入が増えるのでドルを買ってアメリカで資産運用する人が増えます。


ところが一方で例えばメキシコやアルゼンチン、トルコなどの通貨は高金利ですが、これらの通貨は保有していると必ず値下がりします。

これらの国々は経済が不安定だからお金がなく、外国から借金するのに高い金利を払わないと借りれないからです。

手っ取り早く言うと不安定通貨の国で金利10%だとしたら、その国は確実に毎年10%以上通貨が下落します。


「金利が高い」のは信用が低いのと同義語であり、金利0.25%の通貨に対して金利3%の通貨は、必ず下落します。

FRBの米金利は2015年まで0.25%でしたが、利上げによって現在は1.25%、これからも利上げするので0.10%の日本と差が開いていきます。

利上げ直後には短期的には金利収入を得ようとする資金でドル高になるが、その後はジリジリとドル安になります。



世界一信用が高い円

通貨が上下するもう一つの大きな要因は国際収支で、貿易黒字(赤字)と言ったほうがわかり易いと思います。

物やサービスの売買が貿易収支で、それに投資や海外生産なども加えたのが国際収支(経常収支)です。

日本は最近ようやく貿易収支が黒字定着し、国際収支は以前から黒字だったので、ますます国際取引で儲けています。


逆にアメリカは貿易赤字で国際収支も赤字なので「ざまあみろアメリカ野郎」と言いたい所ですが、そうは行かないのです。

貿易や海外投資で日本が儲けた金は、多くは現地で再投資されますが、一部はいつかは日本に戻ってきます。

アメリカが赤字で日本が黒字なら、その分は毎年ドルから円に交換されて、ジワジワと円高圧力が高まります。


すなわち日本が貿易などで儲ければ儲けるほど、将来確実に円高になるのです。

これが貿易のパラドックスで、もし貿易などで儲けたいなら、その分貿易赤字でバランスを取らないと、超円高で輸出できなくなります。

仮に自動車を1兆円輸出するなら、何か別な物を1兆円輸入して収支を同じにしないと、将来急激な円高を招くでしょう。


世界一の投資会社、別名「世界や○ざ」ゴールドマン・サックスは7月に「円は世界で最も安全な通貨」だと評価していました。

2007年から16年まで、世界金融危機や東日本大震災を含む期間、円が最も安全な通貨だったと分析した。

すなわちアメリカや世界で経済危機が深刻化するほど円は値上がりし、円さえ買っておけば資産の目減りは防げた。


えらく信用されているが、彼らに信用されるほど経済危機で円が買われ、突発的な超円高になりやすい。

もし今後リーマンショック級の経済危機が起きたら、1ドル60円の攻防になるかも知れません。