他は撤退や縮小したが、東芝はまたババを掴むと予想されている
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引用:https://www.nikkei.com/content/pic/20140301/96958A9C889DE4E5E6E1E0E6E3E2E0E4E2E0E0E2E3E68A97E3E2E2E2-DSXBZO6744523026022014000001-PN1-9.jpg



シェールガス・オイルの限界

原油価格は1バレル50ドル前後の低迷が続いていて、世界の油田の多くが採算ラインギリギリとされています。

この状況を作り出したのは中国経済のバブル崩壊による需要減少と、原油の生産過剰でした。

2000年代には原油価格が上昇していたため、産油各国は揃って大増産し、自ら価格暴落を招きました。

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この状況に追い討ちを掛けたのがアメリカが開発したシェール技術で、従来採掘できなかった原油を採掘可能になりました。

シェールは既に採掘した枯れた油井で、岩盤に染み込んだ原油を水圧で粉砕して採掘します。

技術と手間を掛けているので、「井戸を掘るだけで原油が噴出する」油井よりもコスト高になります。


だがシェール技術が実用化した頃は「既に場所が分かっていて、採掘が終わった油井」だけで採掘したので、従来の原油より低コストになりました。

これが誤解を生み、「シェールオイルは従来方法より低コストだ」という偽情報が広まりました。

シェールの油井は岩盤の隙間から抽出するので、従来の油井より寿命がかなり短く、数ヶ月から数年とされています。


初期に採掘した油井が枯れると予想通り、新たな油井を掘らねばならず、シェールオイルは通常原油よりコスト高になりました。

それでも中東からタンカーで運ぶ輸送費用や港湾・備蓄費用が不要なので、アメリカで使う分には安いです。

これをどう勘違いしたのか、「シェールは安いから日本に輸入しよう」と考えたのが東芝でした。



東芝がシェールガスで1兆円追加損失

2011年の福島原発事故ですべての原発が停止し、エネルギー不足懸念からシェールガスを輸入しようという機運が起きました。

東芝はテキサス州のLNG企業と2013年に、20年間にわたって毎年220万tのシェールガスを輸入する契約を締結しました。

東芝といえば米原発企業ウエスチングハウスを買収した際に「無制限の債務保証」をしたせいで7000億円の負債を抱えました。


一体なんで無制限の債務保証などしたのかと世間は呆れたが、シェールガスでも全く同じ事をしていました。

20年間毎年220万tのシェールガスを買うのは良いとして、市場価格ではなく固定価格で、損失は全額東芝側が負担する契約になっています。

東芝は今までガスや原油取引をした事はなく、それらは従来商社が担当していました。


大手商社はリスクが巨大すぎるとして尻込みした中で、門外漢の東芝が飛びついて、最大1兆円の損失を生む可能性があります。

原油価格が100ドル以上になれば逆に利益が出るでしょうが、20年以内に価格回復するか、誰にも分かりません。

奇怪なのは東芝の歴代社長や経営陣で、巨額債務保証や原油価格に社運を賭けるバクチ経営をしていました。


東芝の歴代社長を見ると、自ら事業を起こした起業家は1人もおらず、社内で権力闘争を勝ち抜いて社長になったパターンが多い。

熾烈な権力闘争を勝ち抜くため、ライバル達より目覚しい業績を上げるため、ノルマ主義や業績改ざん、損失隠蔽が幅を利かせた。

巨額損失も会計操作で隠蔽を繰り返した末、数千億円の債務保証を連発するようになった。