旧石器人や縄文人に絶え間なくやってくる渡来人が加わり、ヤマトや現代人に変化した
引用:http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20140829/413347/001.jpg
縄文人と弥生人の正体
縄文人は今から1万6,000年前から3,000年前くらいに渡って、日本列島で栄えた人々でした。
彼らは文字を持たず、エジプトのように石文明ではなく木と土器が主体だったので、記録は残っていません。
縄文人の人口は5,000年前ごろから減少し、3,000年前頃に突如「弥生人」に入れ替わって姿を消しました。
いったい縄文人はどこに消えたのか、そして弥生人は何者なのかが、日本の考古学上最大の争点でした。
大きくは縄文人が弥生人に変化したのだという変化説で、大陸の生活様式や稲作によって骨格が変化したと主張しました。
別な有力説は縄文人は絶滅して弥生人に入れ替わったのであり、おそらく弥生人との競争に破れたと言っていました。
この説では弥生人とは大陸から渡ってきた渡来人であり、アメリカ人がインディアンを滅ぼしたように、縄文人を滅ぼしたとされる。
ただどちらの説にも致命的な欠陥があり、縄文人が弥生人に生活変化したにしては、両者の骨格はあまりに違いすぎた。
「縄文がお」「弥生がお」という例えがあるほど特徴が違い、弥生人は顔が平べったく、身長が非常に高い。
弥生人は渡来人であるという説にも欠点があり、今度は逆に縄文人と弥生人は「似すぎている」のでした。
まったくの別人種だとするには、生活様式や骨格には共通点もあり、何らかの関係がありそうに思われました。
そこで登場したのが混血説で、渡来人と縄文人が交じり合う事によって、弥生人という新たな人種になったというものです。
縄文人の現在の人口は1,440万人?
21世紀になってDNA分析によって縄文人と弥生人、古墳時代人、さらに現代人との関連性を調べる研究が盛んになった。
縄文人は3,000年前には絶滅したので分析は難しいが、ようやく詳細な遺伝子研究が行われるようになってきました。
読売によると、国立遺伝学研究所の斎藤成也教授らの核DNA研究によって、縄文人と弥生人に共通の遺伝子が発見された。
福島県・三貫地貝塚の人骨の男女2体の歯から核DNAを抽出し、1億1500万個のDNA塩基を解析した。
説明は省略して結論だけを書くと、現代大和人種は縄文人から12%の遺伝情報を受け継いでいた。
同様に現代アイヌ人は50%の遺伝情報を受け継ぎ、現代琉球人は20%を縄文人から受け継いでいた。
人口の比率では合計すると、1億2700万人のうち1,440万人の縄文人が、我々の中で生きている事になる。
この研究では縄文人は他のどのアジア人とも関連性が低く、現代アジア人が定着する前に、既に日本列島に住んでいた。
縄文人はアフリカから初期に脱出して東に向かったグループが始まりで、2万年から4万年前に他の人種と分かれた。
縄文時代の前には3万8000年前から日本列島に石器人が住んでいたが、おそらくそうした人々も縄文人の一部を形成している。
渡来人については大きく分けて縄文末期に大規模な渡来があり、縄文人と交じり合って弥生人になった。
渡来はさらに弥生前期と弥生末期にも起こり、さらに弥生人と交じり合ってヤマトを形成したと考えられる。
渡来は恐らく3万年以上前の石器時代からずっとあり(最初の石器人もそもそも渡来してきた)今日も半島などから「渡来」してきている。