ネスレは単発商品に終わらず、標準化してネスレブランドを業界の基準にしてしまう
thumb1
画像引用:http://blueyellow.red/blog/wp-content/uploads/2016/03/thumb1.jpg



ブランドを作るのがうまい企業


日本企業はブランドを育て上げるのが苦手といわれているが、食品業界でブランドイメージが高いのがネスレです。

お馴染みの商品はインスタントコーヒーやドリップコーヒー、お菓子のキットカットなどとなっている。

どれも「凄い」というほどではなく、日本企業が大好きな「業界シェア第一位」も少ない。

スポンサー リンク

だがブランドイメージやブランド価値は高く、全世界でコーヒーや水を販売してきた。

世界で大きな利益を挙げているミネラルウォーターは、要するにただの「水」でそれ以上のものではない。

どのメーカーが作っても、せいぜい水を浄化してボトルにつめるだけで、違いはほとんどない。


ある飲料水メーカーは「水道水をボトルに入れて売っている」と公言し、「その方が安くて安全だから」とも言っていました。

ミネラルウォーターの売上を分けるのはブランドイメージで、スイスや欧州企業はこれがとても上手い。

スイスは小国なので国内市場がなく、商品を売るには英仏独や欧州市場で売るしかなかった。


そこで発達したのがブランドイメージを高める手法で、同じ水でも人々はネスレの水を買うのです。

お菓子やコーヒーも、味は日本メーカーのほうが勝っている場合も多いと思うが、世界ではまったく太刀打ちできない。

「キットカット」よりグリコや森永のほうが美味しいと思うが、世界の人々が買うのはネスレの商品です。


サントリー クラフトボスは大ヒットしたが、簡単に模倣され独自性を失いつつある
mv_image



イメージを売る企業

ネスレは世界のほとんどの国に販売拠点をもち、主力商品のコーヒーやキットカットは100カ国以上で販売されている。

商品そのものは数十年間大きな変更はなく、改良を重ねてきたに留まるが、売れ続けている。

その販売戦略では商品の品質や味などはほとんど関係なく、ひたすらブランド価値を上げることに注力してきた。


毎年数え切れないほどの新商品を発売する日本の食品・飲料メーカーとは真逆な企業戦略だといえる。

日本企業の問題点はたとえば「水」のような商品に味や品質や技術の差はないので、それでパタッと進歩が止まってしまう。

90年代から技術を売りにしてきた日本企業の多くが、他社との差が無くなり埋没していった。


ヒット商品になったネスカフェのコーヒーマシンとカプセルも、同様の商品は以前から無いわけではなかった。

ブランド戦略とコーヒーマシン無料システムによってゲームチェンジを起こし、数百万台のマシンを販売や貸し出している。

アンバサダー、バリスタ、ドルチェグストなどのコーヒーマシンは、ネスカフェのカプセルを買わないと使えない。


要は「プリンター機器は安いがインクが高い」のと同じ商法なのだが、そうは思わせない所がうまい。

コーヒーメーカーやカプセルコーヒーは数多く存在したが、標準化がなされておらず、消費者はどれを買うべきかまったく分からない状態だった。

そこにネスレが進出して、一夜にして「コーヒーマシンはネスレが基準」というルールを作り上げた。


これがブランド戦略で、「売れた、良かった」で終わる日本企業との差でもある。