9月6日に発生した地震で北海道全域が停電し、翌日までに3分の1ほどが復旧したが、全土の回復には1週間程度かかる。
停電の原因は北海道の電力を半分を発電していた苫東厚真発電所が緊急停止したことで、需要に対して発電量が減ったのが原因でした。
交流電流は周波数を維持するため発電量と使用量が一致する必要があり、発電量が半分に減ると事故の原因になる。
北海道は全体を一つの地域として電力調整していたので、周波数を保てなくなりすべての発電所を停止しました。
もし需給バランスが崩れたまま送電を続けたら、送電線や送電設備、家庭や企業で火災などが発生した可能性があった。
北海道は本州から60万kwの送電を受けることができるが、北海道側の電力がないと供給を受けることができない。
停電の原因になった苫東厚真火力発電所は165万kwで、地震のとき北海道全体の電力の半分を供給していた。
発電所は地震で緊急停止し需給バランスが崩れ、続いて安全のため他の発電所もすべて停止した。
北海道全域の電力回復には苫東厚真火力発電所の稼働が必要だが、破損しているので修理しないと稼働できない。
原発を稼働しないリスク
ここで指摘されているのは2011年から停止している原発が稼働していれば、停電は起きなかったのではないかということです。
北海道には泊原発があり最大出力は207万kWで、1基稼働しただけで苫東厚真火力発電所の半分程度を発電できる。
泊原発のある場所は震度2程度の揺れで、稼働中なら緊急停止したでしょうが、その後運転を再開できた。
北海道のすべての発電所が停止したので外部電源喪失になり、自前のディーゼルエンジンで冷却している。
もし泊原発が稼働中だったら苫東厚真火力発電所が停止しても、停電しないか短時間で解消できた可能性がある。
泊原発が運転停止している理由は地元住民や反原発の反対からで、どこかが壊れているわけではない。
2011年まで日本の電力は大幅に余っていて、常に必要な量の2倍以上の発電能力を持っていました。
原発が停止しても火力で発電するプランだったので、全原発が停止しても停電しませんでした。
反原発や脱原発運動はこれを逆手にとって「電気は余っている」と主張し原発廃止を訴えている。
だが2倍以上の余裕を持たせていたのを「余裕ゼロ」にしていたので、何かあれば供給能力が不足するのは最初から指摘されていました。
北海道全域の停電は起きるべくして起きたので、その原因は原発を停止させた北海道の人たち自身にある。
しかも地震が発生したのは電力需要が少ない秋の9月で、一日で最も電力需要が少ない午前3時だった。
本来なら全域停電などするはずがない好条件だったのに、自らの意思で原発を止めた結果、このような事態に至ったのです。