2017年は国内白物家電の売れ行きが回復し、1997年以来20年ぶりの2.3兆円になりました。
2018年も好調は続き、猛暑のなか4月から9月のエアコン販売台数は史上最高の614万2000台を記録しました。
白物家電全体の出荷額も過去10年間で最高の1兆3084億円を記録、このままのペースなら通年でも去年を上回る。
同じ期間で電子レンジ、大容量洗濯機、スティック型掃除機が増え、特に高機能家電が売れていました。
もう一つは掃除機のダイソン、ルンバなど特定の家電を得意とする新興メーカーの登場が目立っている。
さらに低価格ブランドのジェネリック家電やプライベートブランドで価格の幅が広がっている。
アイリスオーヤマや山善は中国製なみの低価格でありながら国内メーカー品というところが受けている。
テレビでもオリオン電機やmaxzen(マクスゼン)は中国韓国メーカーと変わらない値段だが、新興国内メーカーです。
かつての国産家電メーカー、日立や東芝や三菱電機はラインナップが縮小していて、シャープは実際には中国製、パナソニックも高価格品にシフトしている。
以前のように普及品から最高級品までフルラインナップのメーカーは存在しなくなり、住み分けが進んでいます。
そんな中で有名ブランド家電は高機能・高価格な電子レンジや洗濯機などを販売している。
高機能家電が売れている
低価格家電として量販店のプライベートブランドも人気を得ていて、驚くような値段で大型テレビなどが売られています。
プライベートブランドの正体は中国製部品の寄せ集めで、一度きりの生産なので多くは補修部品が無く修理ができない。
その時の最安値のパーツを組み合わせてテレビなどを作るので、生産終了したら補修用部品などはないのです。
一方で高機能高価格品のキーワードは「時短」「上質」「スマート家電」などで、有名メーカー品はここにシフトしている。
エアコンならいちいち温度調整しなくても適温が維持されるとか、空気清浄機能がついて省エネになる。
ガス台にかならずついているビルトイン(内蔵)コンロでは、入れっぱなしで焼く、煮る、蒸すの調理ができるタイプが売れている。
高機能トースターは“遠赤グラファイトヒーター”によって余熱が不要で、外はカリっと、中はホクホクしっとり焼ける。
パンだけではなくトースターで油を使わないノンフライや、ハンバーグのような焼き物調理もできる。
フライパンで焼くのと違いずっと見ていて裏返す必要が無いので、時間を有効に使える。
洗濯機も洗濯ものと洗剤を投入すれば乾燥までしてくれる全自動タイプが人気で、これも洗濯中に他の用事を済ませられる。
手間がかからずずっと見ている必要がなく、ほったらかしで出来上がりも良いというのが今時の高機能家電です。
スマホと連携したスマート家電、AIを搭載したAI家電も人気を得ていて、ネットにつながる「スマート電球」も売られている。
スマホで電球の色を変えたり、スピーカーで電球がしゃべるタイプもあり、目覚ましにも使えるという。