中国でシェア自転車が始まったのは北京五輪で賑わっていた2008年の杭州市で、あっと言う間に世界に広まった。
だが今までシェア自転車参入で利益を出した業者は全世界で1社もなく、屍累々の状況になっている。
始まった時と同じようにブームは唐突に終わり、撤退やサービス終了が相次いている。
2008年の杭州市の例では市が赤字を負担して普及させ、大成功と世界に報道されました。
続いて中国の民間業者多数が参入して商業化を図ったが、10年後も全社が赤字のままです。
問題は自転車のカゴとか車体につけた広告にはほとんど宣伝効果がなく、収益になっていないのがひとつ。
広告収入がないので自転車のシェア料金だけでは利益を出せないが、競争上値上げもできない。
多くのシェア自転車は利用料金30分1元(約16円)以下の料金設定で、5元で一ヶ月乗り放題などのプランもある。
シェア自転車1台あたりの製造コストはofoの場合300元で、管理システムやGPSでの追跡や盗難防止にもコストがかかります。
日中の利用率5割としても売り上げは一日100円程度、月に3000円だが頻繁に故障し修理費用がかかります。
中国や日本以外の国ではシェア自転車の紛失や盗難やいたずらが多いので、さらにコスト上昇を招いた。
日本ではセブンやファミマがシェア自転車をやっているが、従来のレンタル自転車をシェアサイクルと言っているだけです。
ofoのデポジット騒動
レンタル自転車は借りた場所に戻すが、シェアサイクルは使った後その辺に放置するのが大きな違いになる。
放置された自転車は駅前に粗大ごみになって積み重ねられ、中国でも多くの自治体はシェア自転車を禁止するようになった。
シェア自転車は最初にデポジット(保証金)を払って利用するが、夜逃げ同然に撤退した業者のデポジットが問題になっています。
2018年には『世界最大級のシェアサイクル 「ofo」、4月27日より大津市でサービス開始 』というニュースがあり実際に開始したようです。
3月28日から和歌山や北九州市でも開始していたが、5月頃から中国のofoが利用できなくなり、デポジットも戻らない問題が発生していました。
10月末には日本撤退が報道され、やはり利用できなくなったがデポジット騒動は起きなかった。
デポジットは中国が199元(約3,300円)、日本版はデポジット制度がなく借りた分だけお金を払うレンタルサイクルになっていました。
中国ではデポジット返金がかなりの騒動になっていて、SNSなどで返金運動が行われています。
一部の富裕層を除く中国人の所得は日本の10分の1なので、3300円は3万3千円くらいの価値だと思います。
ofoは登録車のアカウントを消去して記録上のデポジットをゼロにする暴挙もしています。