去年あたりから”高級食パンブーム”が起きていて、百貨店などで高級パンが売れているという。
価格は2斤で1000円前後が多く、1斤はふつうの食パンの2倍程度でカットされていない事も多い。
カットすると食べやすいが腐敗しやすく日持ちが悪くなるので、あえてそうしている。
スーパーなどで売られているヤマザキやパスコパンは、高くても200円程度なので1斤400円か500円です。
高級食パンはその2倍なのだが、果たして買うだけの価値があるのでしょうか。
ブームの先駆けは食パン専門店の「乃が美」で現在100店以上、2018年に47すべての都道府県に出店しました。
乃が美は2013年に大阪で創業したが、実家は米屋で創業者はスーパーダイエーに就職した。
ダイエーのデリカ担当で全国一の売り上げを出した後独立し、トラック運転手から飲食店やプロレス団体など多くの事業に手を出した。
そのうちのひとつが食パン専門店で、老人ホームの高齢者が食べれる食パンというコンセプトだった。
高齢化が進んでいるので目の付け所は悪くないが、普通に考えたら食パン専門店は難しい。
既存のパン屋にすぐ模倣されてしまうし、ヤマザキやパスコも高級パンを作るでしょう。
すぐ壁に当たって挫折するかに思えたが、そうはならなかった。
高級食パンは模倣されやすい
乃が美の客のほとんどは女性で高級食パンの購入者も女性が多いが、家庭で買い物を担当するのが女性という以上に女性から好まれている。
食パンは案外カロリーが多く1枚で200kcal、1斤だと2000kcalもあるのでとても一人では食べきれない。
家族で食べたり友人と分け合ったり、介護施設や職場で分け合っているのではと推測します。
乃が美のパンは生食パンつまり焼かずに生でも美味しく食べれるのを売りにしている。
安いパンほど食感がボソボソになり、焼かないと美味しくないのとは対照的です。
10年ほど前のデフレ期にはコンビニでも88円の激安食パンが売られていたが、焼かないと美味しくありませんでした。
乃が美の成功によって追従する業者も現れて、高級食パン専門店のライバルも増えてきました。
ヤマザキやパスコなどの量産メーカーも200円以上の高級食パンを発売し、それなりに美味しい。
遠からず市場は満たされるが、果たして一過性ブームで終わるのか、食パンやパンとして定着するのかが注目されます。
今までは「高級食パンという需要があったのに商品がなかった」のだが、需要が満たされればブームは終わります。
国内では数十の専門店が出現して過当競争になっており、海外に出店する動きもでている。
やはり高級食パンは模倣されやすい商品のようです。