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ペイペイの100億円キャンペーンと景品表示法の関係

ソフトバンクらしい、法律の隙間を縫うようなキャンペーンだった
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画像引用:還元率20%の衝撃──スマホ決済のPayPay、100億円バラマキでキャッシュレス市場に攻勢 | TechCrunch Japanhttps://jp.techcrunch.com/2018/11/22/engadget-20-paypay-100/

100億円キャンペーンは景品表示法の対象

ソフトバンクのモバイル決済ペイペイ(PayPay)は100億円キャンペーンを実施し大きな話題になった。

期間は12月4日から2019年3月31日までだったが、100億円に達したため12月13日で終了しました。

期間中ペイペイで買い物をすると20%がペイペイで還元され、40回に1回の確率で支払額の全額が還元される。



さらにYahoo!プレミアム会員は確率が20回に1回、“ソフトバンク” と“ワイモバイル”のスマホユーザーは10回に1回になる。

さらにペイペイに5000円以上チャージすると1回だけ、ペイペイ1,000円をプレゼント、ソフトバンクスマホでユーザー登録するとペイペイ500円が貰える。

これでもかというプレゼントの嵐に利用が急増し、ペイペイは一時利用できなくなるほどでした。

キャンペーンで気になるのが景品表示法との関係で、景表法には対象にならない例外が設けられています。

キャッシュバックは名前の通り現金を戻すもので、値引きと同じなので景表法の対象外になっています。

だから以前のスマホ販売では、5万円のスマホを1円で買って、なおかつ10万円キャッシュバックなども行われていました。

ポイント還元でも例外の場合があり、同一店舗で利用するスーパーのポイントなどは値引き行為です。

複数のお店で利用できるマイレージカードの類も、例外と認められています。

ただし「懸賞(くじや抽選)」は値引きとして認めず、現金であっても景表法で規制されます。

景表法ぎりぎりだったペイペイ

こうして見るとペイペイキャンペーンのうち、全員に20%還元の部分は景表法の例外になると考えられる。

問題は40回に1回、買い物した全額が払い戻されるほうで、「抽選の場合は現金還元でも景表法の対象になる」と定められています。

仮に20%還元(1人の上限は5万円以内)が景表法の対象と指摘されても、景表法では20%以内(景品は10分2の価格)なので問題ありません。

景表法では一般懸賞の景品額は1回10万円以内かつ、売上予定総額の2%までと定められています。

ペイペイはの全額還元は上限10万円なので、景表法の範囲内ですが、売上予定総額の2%は微妙です。

『40回に1回あたる』を確率40分の1とすれば2.5%なのだが、ここに数字のカラクリが潜んでいる。

1回目の当選確率は2.5%だがこのクジを10回引いても当選確率は22.367%で最初より低くなります。

100回引いた当選確率は92.048%なので、実はこのくじは回数を多く引くほど「還元率」が下がるのです。

たとえばコンビニにある「一番くじ」の類は80個や100個の箱には必ず1等が入っていて、箱の中には必ず同じ枚数の2等や3等が入っています。

全額還元は景表法の上限3%以内

これなら100回くじを引くと必ず100%の当選確率になるが、スマホゲームのガチャとかペイペイくじは純粋なデジタル確率なので、100回引いたからといって当たりは保証されません。

100万回引いても外れる可能性があるので、40分の1で当たっても還元率は2%以下になると予想できます。

同時イベントでYahoo!プレミアム会員は20回に1回全額還元、自社スマホユーザーは10回に1回全額還元になります。

景品表示法では一般懸賞と別に共同懸賞の規定があり、複数の企業が共同して、商品やサービスの購入者・利用者に対して行う還元行為です。

共同懸賞では1回30万円までで限度額は売上総額の3%までなので、「10回に1回全額払い戻し」は違反しているように思えます。

ですが「全員が40回に1回」「プレミアム会員は20回に1回」「自社スマホユーザーは10回に1回」を一つの還元行為とすると、おそらく3%以内には収まっているでしょう。

もし抽選で当たった人の多くがプレミアム会員と自社スマホユーザーだった場合は、景表法の上限を超える可能性があります。

実は全額還元のうち20%は「全員に20%還元」キャンペーンによるもので、全額還元キャンペーンからは80%しか還元しません。

さらに限度額10万円なので、20万円のテレビを買って当選しても10万円しか還元されません。

全額払い戻しキャンペーンだけなら3%を超える可能性が高いが、「全員に20%還元」と同一キャンペーンにすることで、買い物総額が膨らみ3%以内収まる。

景表法の隙間を突くというか、スレスレのキャンペーンだったのがわかります。

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