2018年12月に入ってNY株支持市場が下落し、弱気相場に入ったといわれている。
好景気でも短期的に大きく下げることはあり、そのたびに「トレンドが変わった」と叫ぶ人は居た。
だが今回は2010年頃から続いてきた長期的な米国の経済拡大が、終わったのではないかと言われている。
この10年のアメリカ経済を支えてきたのはFANGに代表されるIT企業で、今年アップルは史上初の時価総額1兆ドルを達成した。
FANGとはフェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon.com)、ネットフリックス(Netflix)、グーグル(Google)を差している。
他にマイクロソフトやアップルが加わることがあり、それぞれの分野で圧倒的なシェアを持つ巨大企業を意味している。
フェイスブックはSNS、アマゾンはネット通販、ネットフリックスは動画配信、グーグルは検索で寡占企業となっている。
マイクロソフトやウィンドウズやオフィスなどのPCソフト、アップルは携帯端末などで巨大シェアを持っている。
経済原則では寡占化が進んだ後、その市場は競争がなくなり急速に衰退するとされている。
巨大になりすぎた米IT企業は恐竜のように進化の行き止まりになり、ある日倒れるのかもしれない。
たとえば日本の自動車メーカーがトヨタ1社だけの巨大企業だったら、過去の早い段階で成長限界を迎えていたでしょう。
米IT企業はあまりにも速く成長し、あまりに巨大になりすぎました。
この10年間米国の株式市場を引っ張ってきたIT企業の先行きが懸念され、株式市場は下落しています。
米IT企業の多くが上場しているナスダック総合指数は8月20日の最高値から約22%下落しました。
20%下落は弱気相場へ転換する節目とされ、数字そのものに意味はないが人々の心理に影響を与える。
米利上げ続けば経済危機も
「20%が節目」と言われると強気派はそのラインで防衛しようとし、割り込めば防衛に失敗したことになる。
S&P総合500種は高値から17.5%安、ダウ工業株30種は16.3%下落なのでまだ持ちこたえている。
これらの指数が続々と20%ラインを割り込めば、やはり上昇相場は終わったことになる。
過去の米国の経済不況の多くは、1929年大恐慌から2009年のリーマンショックまで、利上げの最中に起きていました。
一般的に利下げは不況対策で行われ、人々は金利が下がるとお金を借りて、経済活動が活発になります。
経済が過熱するとインフレやバブルになるので、今度は利上げして経済を冷やそうとします。
ところがほとんどの場合、中央銀行は不況時に利上げをしてしまい経済恐慌を起こしています。
日本のバブル崩壊が最悪の例で、景気が下降局面なのに日銀は急激に利上げして経済崩壊を引き起こした。
公定歩合は1987年には2.5%だったのに、1990年に6%、1995年には0.5%に下げています。
利上げや利下げを適切なタイミングで、もっと穏やかに行えば、バブル経済やバブル崩壊は起きなかったでしょう。
米FRBはリーマンショック以前は5%だったが2008年に0.25%に下げ、2015年から利上げに転じ現在は2.5%です。
2019年には3%まで利上げすると予想されていて、だんだんとリーマンショックを引き起こした5%に接近しています。
リーマンショックを引き起こしたサブプライムローン破綻は、利上げによって高金利ローンが破綻しました。
アメリカの利上げは全世界に影響を与えるので、アメリカ以外の国で経済破綻が起きる可能性があります。
世界中の国や企業が低金利のアメリカから金を借りていたので、それが高金利になれば資金難に陥ります。