10年ほど前に韓国ではオンライン産業が盛んで、衰退する日本のゲーム産業と入れ替わるように拡大した。
ニンテンドーやプレイステーションは時代遅れになり、 Com2us、Gamevil、Nexonなどが伸びていった。
ネットゲームは国境や制度に関係なくPCさえあればプレイできたので、日本や欧米でもユーザーが増えた。
韓国はゲーム超大国として世界に君臨するかに思えたが、そうはならなかった。
ならなかった理由の一つはPCからスマホにIT端末が移行してしまったことで、ユーザー人口そのものが減少した。
替わって登場したスマホゲームでは日米欧や中国製ゲームが人気となっている。
スマホゲームはPCゲームよりローカル色が強く、ユーザーは自国で開発されたゲームを好む傾向がある。
仮に韓国企業でも、日本で開発した日本向けゲームでないと多くのユーザーを集めるのは難しい。
3つ目の理由はゲーム開発で韓国の優位性が薄らいだことで、韓国は90年代から既にオンラインゲーム開発を始めていた。
その始まりは1997年の国家破産でIMF管理下に入り、厳しい合理化とともにIT化を推進した。
日本で高速回線を政府が推進したのは2000年の森総理以降だが、韓国はスタートが数年早かった。
韓国は日本文化規制によって日本の音楽やテレビ番組、映画やゲームを禁止していて、緩和されてからも普及していない。
先進国の逆襲に遭った韓国
つまり韓国には日本製ゲームが存在しないわけで、これが韓国で自国製ネットゲームが多く開発された理由だった。
一方日本ではファミコン以来の家庭用ゲーム機があり、ネット回線やブロードバンドの遅れもあってオンラインゲームの普及が遅れた。
たとえば2005年ごろには韓国ではすべてのホテルにネット回線があったが、日本ではネット接続できるホテルは少なかった。
アメリカではインターネットの普及が速かったが高速化は進まず、韓国のブロードバンド回線は当時世界最速と言われていた。
韓国ではPCバンと呼ばれるネットゲーム専用のネットカフェが全土に普及し、空前のブームが起きた。
当時はゲーム内アイテムを売買するのも自由だったので、アイテムを現金化して儲けるのも流行した。
韓国ではゲームのし過ぎで過労死する若者が社会問題になるほどで、日米欧でも韓国製ゲームはかなり流行った。
だが流行はすぐ終わってしまうことになる。
その後日米欧のネット環境やゲーム開発も韓国並みになり、オンラインゲームでの韓国のシェアは低下した。
欧米や中国もゲームに本腰
ニンテンドーやソニーの家庭用ゲーム機も勢いを取り戻し、韓国ゲームからユーザーを奪った。
さらにスマホシフトが起きてPC人口が減り、韓国ゲーム業界はスマホゲームを苦手としていた。
スマホゲームはPCゲームより身近さが求められ、外国製ゲームより自国製ゲームが好まれる傾向がある。
2017年の韓国ゲーム会社の海外売り上げは、5兆5000億ウォン以上で過去最大となった。
6000億円以上なので一見良さそうだが、世界のゲーム市場15兆円からは微々たる金額でしかない。
中国のゲーム市場は約4兆円、アメリカは約3兆円台、日本は2兆円、韓国は約6500億円とされている。
15兆円の50%以上はスマホゲームで、PCゲームやPCオンラインゲーム、家庭用ゲーム機は「その他」勢力になった。
アメリカのゲーム需要はPCゲームや家庭用ゲーム機の比率が高かったが、最近はスマホゲームが拡大している。
アメリカ人は金になると見れば国を挙げて勝ちにくるので、アメリカ初の世界的なスマホゲームが登場するかも知れません。