日産は2019年1月9日にバッテリーとモーターを強化ししたEV「リーフe+」を追加発表しました。
リチウムイオンバッテリー容量は40kWhから62kWhに増えたので、航続距離が322kmから458km(WLTCモード)に増える。
JC08モードでは400kmから570kmに増えるが、エアコン稼働時の市街地ではWLTCモードに近くなるでしょう。
最高出力は110kW(150ps)から160kW(218ps)に、最大トルクは320Nmから340Nmに向上する。
価格は同グレードで比較すると「X」が315万円 だったのに対し、「e+ X」が416万2320円と約100万円高い。
価格の判断はひとそれぞれですが、この微妙な性能向上はトヨタHVへのEVの優位性を示しています。
トヨタHVは最新プリウスだとエンジン98ps+モーター72psまたは79psでグレードが変わっても馬力は同じ。
一般的な車は低グレードと最高級グレード、さらスポーツグレードとエンジン仕様を変えているのとは対照的です。
昔の車では排気量の大きいエンジンにターボを付けて出力2倍というのもあったが、トヨタHVではできない。
このことは経済車では問題にならなかったが、プリウスが3ナンバーの「高級車」になると欠点として浮上した。
プリウスの評価が低いのは車そのものの出来もあるが、エンジンが低出力の1種類だけに限定されているのも痛い。
日産式HVの方が有利になる
日産のノートe-POWERはプリウスと同じハイブリッド車ですがシステムが違い、エンジンは発電するだけでモーターがすべての駆動力を発生している。
エンジンは全グレード79psだが発電するだけで、モーターは109psから136psまで数種類存在する。
スポーツモデル「NISMO S」の最大トルクは32.6kgf・mなのでプリウスの14.5+16.6を上回っている。
モーターは回転数ゼロでも1万回転でも出力が同じなので、ゼロ発進はスポーツカーに匹敵するほど速い。
出力が低いので最高速度は170キロ程度らしいが、267万円はとてもお買い得に見える。
ゼロから100キロ加速ではプリウスが11秒ほどに対してノートe-POWERは通常版が7秒、NISMO Sは5秒台とされている。
燃費はプリウスの37.2 km/Lに対して、ノートe-POWERは34.0 km/Lから28.8 km/Lと燃費では劣っている。
低燃費だが出力向上の余地がないトヨタHV、理論上はいくらでも出力向上できる日産HVの違いは大きい。
現在はトヨタHVの方が車種が多く販売台数でも多いが、今後の展開では日産HVが有利かもしれません。
「GTR e-POWER」のようなものも可能な訳で、ハイパワー化することでトヨタHVと差別化できる。