注目された2018年のカメラ販売は、レンズ交換式ミラーレスでキャノンの「EOS Kiss M」が圧勝した。
1位「EOS Kiss M」2位も「EOS M 100」3位がソニー「a6000」4位から6位はオリンパスの「PEN-E PL」シリーズが占めた。
8位から10位もソニーとオリンパスで、ここに登場しなかったカメラメーカーは存在自体が危ない。
キャノンの「EOS Kiss M」はミラーレス市場の開拓者になり、ほぼ1年間を通じて販売トップの座を守った。
女性向けのおしゃれな外観と使いやすさ、定評のある機能や性能面でも評価され、交換レンズの種類も多い。
「EOS Kiss M」は一眼レフより小型のセンサーを使用しているが、もっと高価格なフルサイズ一眼ではソニーが勝者となった。
フルサイズミラーレスはα7しか存在せずシェア100%だったのだが、キヤノンが「EOS R」、ニコンが「Z 6」「Z 7」を発売しました。
結果はソニーの牙城を崩すまでに至らず、年間を通じてα7シリーズが9割以上のシェアを維持した。
新型機は交換レンズの種類が少なかったり、使い勝手がもうひとつという評価もあった。
2018年12月に限るとキヤノンEOS Rが約17%、ニコンが「Z 6」「Z 7」は16%ほどのシェアを得た。
2019年にはパナソニックもフルサイズミラーレスに参入が予想されているので、さらに激戦が展開される。
フルサイズはレンズ交換式カメラの中でも最高級機種で、販売台数は少ないが利益が大きい。
競争と淘汰のカメラ市場
2018年は高級カメラ市場でミラーレスが従来型一眼レフを台数でも金額でも上回り、ミラーレス元年になりました。
ミラーレス化することでコンパクトカメラ並みに小さく軽くなり、扱いやすくなってカメラ女子も誕生した。
カメラ市場は10年間で3分の1ほどに落ち込み、低価格コンパクトカメラはスマホに吸収されてしまった。
国内ではレンズ交換式カメラはミラーレスと一眼レフを合計しても100万台程度で、世界で1000万台程度となっている。
世界カメラ販売は2010年の1億2000万台がピークで2017年は約2500万台と5分の1以下になった。
レンズ交換式に限っても2012年の約2000万台から、2017年は約1160台に落ち込んでいる。
問題になっているのはミラーレスと一眼レフの合計売上でも下降トレンドが続いていることです。
ミラーレスカメラは売れたが一眼レフの売り上げ減少の方が大きいので、カメラメーカーの存続が危ぶまれている。
ところがこうしたデジタルカメラ市場とは別に「カメラ」そのものの売り上げは毎年20%以上拡大しています。
売れているのは自動車用のカメラとセンサー、工業用カメラ、監視カメラなどで、こうした商品を販売しているメーカーは儲かっている。
センサーを製造しているソニーは大儲けだが、カシオはデジカメから撤退し医療用カメラなどに専念する。
年1000万台のレンズ交換カメラ市場を分け合うには国内カメラメーカーはあまりに多すぎ、過当競争になってしまう。