生産性が高い人は怠け者に見られる
日本経済の問題点として、欧米先進国にくらべて生産性が低いことが度々指摘されています。
生産性は1時間あたりに生み出した価値のことで、同じ成果を出すなら長時間働くほど低下します。
ピントがずれた経営者は「生産性を高めるために残業させよう」と長時間労働させて、もっと生産性を低下させています。
短時間で仕事を終えて帰宅したほうが生産性は高まるので、頑張れば頑張るほど生産性が低下します。
今まで日本人の「努力」の方向は長時間働くことに重点が置かれ、寝ずに仕事をすると「俺寝てないんだよ」と寝てない自慢をしたりします。
それを聞いた人も「徹夜仕事ですか、すごい頑張りましたね」と褒めたたえるのが恒例になっている。
こんなとき「君は生産性が低いから定時で仕事が終わらなかったんだね」と言うような人は周囲から浮いてしまうでしょう。
だがこれからは効率よく仕事を終えて5時で帰宅する人が評価され、残業や休日出勤する人は評価されなくなるかもしれません。
アメリカのある経営者がネット上で「いつも怠けてゲームなどをしている社員を解雇したい」と相談したところ、相談を受けたほとんどが反対した。
仕事中にスマホゲームをしている社員は効率よく仕事を終えた有能で正直な人間だと評価できる。
いつも仕事をしているように見える他の社員は、要領が悪く仕事が遅いか、忙しい演技をしているだけだというのが他の人の意見でした。
実際日本の職場でも、忙しいふりをするのが上手い人が、上司や社長の評価が高いのではないでしょうか。
お金に厳しく時間に甘い日本人
優秀で生産性が高い人ほど上司から「怠け者」と見られ、仕事が遅いか忙しいふりをする人の方が得をするのです。
こんな会社で生産性が上がる筈がなく、上司や社長が目を光らせるほど、むしろ生産性は低下するでしょう。
生産性が低い職場で良く使われる言葉が「もったいない」で、鉛筆は最後まで使い切り、真夏にエアコンを切って、電気もきったりしています。
いったい社員が熱中症になるリスクと、電気代のどちらが重要なのか、こういう会社は分かっていない。
夏は汗だくで倒れそうになり、冬は凍えそうになって仕事をしている会社は、電気代を節約できるが間違いなく生産性は低い。
節約するために時間をかけて古いものを使いまわししたり、費用は安いが手間のかかる方法を取ったりしている。
例えば今でもパソコンでデータ入力するのは「手抜き」や「もったいない」と言って電卓で計算して紙に書いている大企業があるそうです。
もちろん業務ではパソコンを使うが、その会社は正式な文書は「紙と手書き」以外は絶対に認めないそうです。
パソコンソフトの代金がもったいないと言って、あえて手作業や古い方法で経理やデータ処理する会社も多い。
またお金に関しては異常に厳しいのに、他人を待たせたり時間をかけるのを何とも思わない人も多い。
例えば時給2000円の人を1時間待たせたらその人の2000円を奪っているが、そうした感覚がない。
すぐに回答が欲しいのに何日も待たせる人や企業も多く、お金に厳しく時間に甘い印象を受ける。