韓国国内工場で2019年3月までに生産された自動車の台数は、約95万5千台とリーマンショック以降最低記録になった。
韓国の自動車メーカーは日本車と比べて、現地生産が少なく国内生産の比率が高い。
アメリカで販売される日本車の約3分の2が現地生産で残りは輸入、しかもメキシコなど日本以外からの輸入も多い。
現代・起亜など韓国車は米国で販売する半分以上を韓国から輸出していて、現地生産は多くない。
こうなる原因は韓国企業がトップダウンのため、現地生産ではシステムがうまく機能しないと言われている。
韓国企業の創業者一族のトラブルを見ると、現地のアメリカ人に工場を任せるのは難しいでしょう。
中国では一時日本車を脅かし10%以上のシェアがあったが、最近は半分以下に減少している。
中国では中国国内工場で生産しないと高い関税を課せられるが、工場生産がうまく行っていないのかも知れない。
日本車はアメリカではアメリカ人向け、中国では中国人向けの車種を開発しているが韓国車はそうした事が少ない。
本社や創業者からのトップダウンが強い企業では、現地向けに現地の人が開発するのが難しい。
こうした現地生産の問題と同時に、韓国国内でも多くの問題を抱えていて、韓国病とも言われている。
もともと韓国自動車産業は日本車より生産性が低かったが、人件費や物価の安さでカバーしていた。
慢性的な高コストと低効率
韓国自動車工場は人件費や物価の安さのおかげで日本車より安かったが、両国の物価と人件費を同じと計算すると、実は韓国車の方が高くなる。
国内工場の生産性が低いので、2006年には73%だった国内生産比率が2018年に44%まで減少し、その分現地生産が増えた。
日本における輸入車シェアは6%以下だが韓国では15%あり増加し、特にドイツや日本から高級乗用車が輸入されている。
もっとも儲かる商品が国内で売れなくなり、世界でのシェアも低下傾向で利益が圧迫されている。
韓国は労働運動の激しさで知られていて、工場では深刻な労組問題を抱えている。
現代自動車は2018年、韓国工場での生産事業が600億ウォン(約60億円)の赤字だったと発表した。
金額は小さいが国内全工場の合計が赤字というのは、正常な状態ではない。
現代自動車の国内工場は、数年前には年間3兆ウォン(3000億円前後)の利益を生み出していた。
しかも現代自動車工場は韓国で良い方で、ルノーサムソンはもっと酷い状況だという。
現代自動車は光州で、労働者の賃金が安い「低賃金工場」を稼働させ、生産コスト削減に取り組んでいる。
ニュースによると新工場の賃金は年間3500万ウォン(約345万円)で、従来工場平均の9200万ウォン(900万円超)の3分の1だという。
どちらも驚くような数字であり、トヨタの平均年収832万円をも上回っている。