本も買うより定額制の時代
従来本は1冊づつ買うもので、借りる場合も1冊づつ借りるものでした。
本という物が誕生して以来、これが1000年以上変わらないルールで、1冊読むごとに対価を払う必要があった。
例外としてマンガ喫茶があり、滞在時間分の料金を払えば、その時間内は読み放題でした。
インターネットが普及してしばらくの間は、音楽や映像や本は物販と同じように一つずつ料金を取っていた。
音楽は1曲ごとに料金を払って買い、1曲ずつダウンロードする決まりで、映像ソフトも同様でした。
2010年代以降さまざまな定額制サービスが登場し、音楽は一か月1000円で数百万曲聞き放題が当たり前になりました。
映像ソフトも一か月2000円程度を払えば数万タイトルが見放題になり、こうした定額制をサブスク(サブスクリプション)と呼んでいます。
ソフトコンテンツだけでなく、最近は自動車でも「月1万円で新車に乗れる」ようなサービスが普及しています。
レストランの食べ放題とかビッフェも一種の定額制だし、ネットカフェも時間料金内の定額制と言えます。
もうサービスをひとつ追加する毎に割高なオプション料金を取るようなビジネスは古臭く、まったく流行りません。
定額制になる事でばら売りと大きく変わる点は、大量に好きなだけ利用できるようになる。
昭和の時代はレコードを3000円で買って12曲しか入っていなかったが、今や980円で100万曲を聞ける。
音楽や映像のように読み放題になる
この流れがついに本まで到達し、定額制電子書籍サービスが続々と登場しています。
アマゾンの「キンドル アンリミテッド」は日本語書籍12万冊以上を読み放題で980円となっている。
雑誌やマンガ定額制は500円前後が多く、楽天マガジン(410円)、dマガジン(432円)は雑誌が充実している。
マンガ雑誌専門では講談社のコミックDAYS(720円)、DAYSもっとプレミアム」(960円)がある。
U―NEXTは本来動画配信サービスだが、月額2149円で雑誌70誌以上が読み放題に加えて動画9万本が見放題となっている。
動画と雑誌の両方を見たいなら、他の配信サービスより割安といえます。
なお書籍によっては、すべて読み放題ではなく、購入しないと読めないコンテンツがあるかも知れない。
視聴方法はスマホ、タブレット、PCが一般的で家でも外でも使えるタブレットが利用しやすいでしょう。
自宅LANで視聴する分には通信量は掛らないが、外で視聴すると通信料が発生します。
文字だけの書籍なら安いが、コミックや雑誌は通信量が多いので、格安SIMなどで利用するのが良いでしょう。
あるいは自宅でダウンロードしておいて、外では通信せず読むなどの方法もある。
今後日本では1冊1000円以上も支払って本を買うような文化は、急速になくなるでしょう。