韓国は日本に追いつき追い越せを国家目標に、どんどん労働者の賃金を上げたが副作用が起きている。
1990年代の韓国経済はせいぜい日本の10分の1で、労働者の賃金は半額なら高給取りでした。
それが現在は最低賃金8350ウォン(800円前後)で週休手当込み1万20ウォン(950円前後)で日本より多い。
週休手当というのは6日間働くと毎週貰える法定ボーナスみたいなもので、一日分の日給を毎週貰える。
例えば時給1000円の人が8時間労働だったら、毎週8000円ボーナスを貰えるという法律です。
日本の最低賃金は鹿児島県761円、東京都985円なので、全国最高の東京でやっと韓国並みです。
韓国は悲願の「日本越え」を果たしたが、これがとんでもない事態を引き起こしている。
一日3時間、週15時間以上働いた労働者が週休手当を貰えるが、週14時間だけ雇ったり日雇い雇用にする企業が増えた。
毎日日雇いで別の人を雇えば、結果として同じ人が働いても、週休手当を払わなくても済むような事です。
文大統領は労働条件の改善に積極的に取り組んだが、この結果失業率は平均5%、20代は10%に上昇した。
しかもこの失業率はバイトや日雇いで短時間でも働けば除外されるので、膨大な実質的失業者が存在する。
正社員で大企業に勤めている人の年収は上がったが、赤字転落する企業が続出している。
韓国の自動車工場は世界一高収入
現代自動車は韓国を代表する大企業だが、労働者の報酬は想像を超えている。
現代自動車の韓国工場の平均賃金は9200万ウォン(900万円超)で、トヨタの832万円を遥かに上回っていた。
しかもトヨタは技術者などを含めた平均なのに、現代自動車は工場労働者だけの平均です。
韓国自動車労働者の平均賃金は日本の1.5倍で、しかも韓国の製造業は日本より生産効率がかなり悪い。
韓国GMの平均賃金も9000万ウォン以上(900万円前後)で、高給で知られるドイツのVW(700万円台)よりも高い。
韓国の自動車産業は最近苦戦しているが、労働者は世界一の高収入になっていました。
これらは韓国の本来の実力と比べて2倍程度高すぎ、高失業率や競争力喪失の原因になっている。
世のなかには市場原理というものがあって、高すぎるものは自動的に調整するシステムが存在します。
例えば日本政府がいくら円安で労働賃金を抑え込もうとしても、10年ごとに超円高が襲って元通りになります。
韓国は逆に政府が無理やり労働者の賃金を上げたので、ウォンが暴落する可能性があります。
労働コストが高すぎるのなら、その分通貨が安くなれば良い訳で、97年のアジア通貨危機前にも同じことがありました。
90年代のアジア諸国は「アジアの時代だ」という高揚感から賃金などを不釣り合いに上げすぎていました。
起きるべくして通貨の大暴落が起きたのだが、現在の韓国は通貨危機前の情況に似てきている。
日本政府の低賃金円安政策にも無理があるので、円高とウォン安は同時に起きる可能性が高いと考えます。