
ペイペイ幻想で増えた借金
メルカリは6月決算(18年7月から19年6月)予想が純損益で137億円の赤字になると発表しました。
メルカリは今までずっと赤字で去年も約44億円の営業赤字だったが、今期は営業赤字121億円となり赤字幅が急増します。
赤字増の最大原因はスマホ決済メルペイのキャンペーンで、ゴールデンウィークには決済金額の70%をポイント還元していた。
メルペイだけでなくソフトバンクのペイペイやLINEのLINE Payも100億円規模のキャンペーンを実施し過当競争になっていた。
スマホ決済全体では19年春だけで数百億円のキャッシュバックやポイント還元が行われました。
LINEは2019年上半期決算が266億円の赤字になったが、赤字の原因はLINE Payのキャンペーン235億円だったとしています。
調査会社のICT総研によるとスマホのQR決済(XXペイ)の決済額は18年に2千億円だったが19年は7千億円、20年に1.5兆円に達する見込み。
同じ期間にスイカなど電子マネーは9千億円から1.4兆円に増えるが、2020年にはQR決済が上回る、
QR決済の勝者となった企業は仮に1.5兆円の1%が手数料収益だったとしても150億円を得て、その後も手数料収益が拡大する。
QR決済でも負け組になったメルペイ
さらに自社の決済が利用されることで消費者の決済情報を握り、情報を売ったり利用したりするビジネスも展開できる。
今カード会社やスイカやエディはこうして収集したビッグデータを元に、小売業者に対して支配的地位を築いている。
19年現在で最も利用されているQR決済はLINE Pay、2位がPay Payだが実際には約40%で並んでいる。(ICT総研)
3位が楽天ペイで4位がd払い、5位がメルペイで約11%だが、はっきり言えば負け組になった。
LINE Pay、Pay Pay、楽天ペイが電子マネーのスイカ、エディ、ワオンのようなトップグループを形成している。
QR決済はまだ黎明期で始まったばかりだが、ここから逆転して支配的地位を築くのは相当難しいでしょう。
メルカリは本業のフリマ事業が赤字で新たに手を出したスマホ決済も赤字、アメリカなど海外事業が失敗と冴えない。
仮にメルペイが成功したとしても利用店舗増加や利用者拡大のための支出が必要で、10年程度は利益が出ないかもしれない。
QR決済は成功するまでの先行投資が大きく、初期投資を回収するまで長期間かかるので、新興企業には向いていない。
簡単に計算しても今期の100億円赤字をメルペイで回収するには、非常に長い年月がかかる。