政府が国家政策として提唱したQRコード決済は、現金決済に代わって日本で主流になる筈でした。
だが各社は100億円、300億円というキャンペーンを展開したあげく、将来性に悲観し始めている。
セブンイレブンもブームに乗って2019年7月に参入したが、不祥事を繰り返したあげく9月末でサービス終了すると発表しました。
最初のQRブームの始まりは2018年12月のPayPay100億円還元キャンペーン 第1弾で、およそ10日間で100億円を使い切りました。
19年2月にPayPay100億円還元キャンペーン 第2弾が行われ、還元方法の違いで5月までキャンペーンが続けられた。
PayPay100億円還元キャンペーンは大きな話題になり申込者が急増したので、各社も追従してキャンペーンを打ちました。
楽天ペイ、LINE Pay、メルペイ、d払い、au PAYなどが参入とキャンペーンを繰り返し、19年前半だけで1000億円近いキャンペーンが行われた。
その結果QR決済の決済額は19年に7千億円となり、電子マネーの9千億円に並ぶと予想されている。
調査会社のICT総研の予測では2020年にQR決済が1.5兆円に対し、電子マネーは1.4兆円に留まる。
だがこの予測はおそらく実現せず、QR決済は結局普及しないだろうという見方もされている。
悲観派の最大の理由は利用者にまったくメリットが無いことで、キャンペーンが終わるとただ不便なだけになる。
電子マネーのスイカと比較すると、スイカは1回近づければ終わるのに対し、XXペイは何度も読み散らせて店員に見せなくてはならない。
お粗末なQR決済
手続きが煩雑な理由はQR決済のセキュリティが甘いからで、何度も人間の店員と客が確認する必要があります。
QRコードの読み取りを通じて不正に読み取ったり、不正な情報を読み取らせたり、端末に侵入することもできる。
セブンペイの不正利用事件はまさにこのセキュリティの甘さという、QR決済の欠点を突いたものでした。
第二の欠点は手数料が高いことで、QR決済は手数料無料などと宣伝しているのは、すべてウソです。
買い物する客はなるほど手数料を払わないが、店舗側は3.24%の手数料を払うので、電子マネーやクレジットカードと同じです。
メリットは読み取り機が安い事ですが、既に書いたように何度も店員が確認する必要があるので、現金と同じくらい手間がかかります。
ではQR決済のメリットは何かというと、実は店側にも利用者側にも何もないのです。
店側は「よそがやるならうちもやらないと客を取られる」から導入し、客はキャンペーンでお金を貰えるので使っています。
現金決済よりコストダウンになると言うが、なん十種類もの決済手段を表示して、店員は全ての決済手段を覚えなくてはならなくなった。
客が言っているXXXペイが電子マネーなのかQRなのか他の何かなのか、ポイントカードなのか、間違えたらトラブルになります。
QR決済にはデメリットだけでメリットは何もない事に、そのうち人々は気づくでしょう。
本当に手数料無料だったら参入しても赤字なので、誰も参入しない筈です。