最初月2万だった維持費は30年後には月10万から20万に跳ね上がる
経済的な合理性がないタワマン
2000年代に都心などでタワーマンション建設ラッシュがあり、富裕層の象徴ともてはやされました。
相続税対策になるともいわれ、タワマンを買わないと損だというタワマンブームが起きました。
地価が高い都心で高層マンションに住むのは一見合理的だが、維持費がとんでもなく高額です。
2000年代に都心などでタワーマンション建設ラッシュがあり、富裕層の象徴ともてはやされました。
相続税対策になるともいわれ、タワマンを買わないと損だというタワマンブームが起きました。
地価が高い都心で高層マンションに住むのは一見合理的だが、維持費がとんでもなく高額です。
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都内の一般的な分譲マンションが6000万円なのに対し、タワマン平均価格は7600万円でした。(2019年)
立地や条件や面積が違うので一概に比較できないが、タワマンは中低層マンションより購入価格が27%高くなります。
現在はタワマンによる相続税節税が対策されてしまい、中低層マンションに比べて有利ではなくなっています。
購入価格が高いと評価額も高いので、固定資産税などの税金も高額になります。
もっと高いのがタワマン特有の設備を維持管理したり修繕する費用で、中低層マンションよりかなり高額になります。
エレベーターは短時間で高層階まで上昇するため高性能だが、一般的なマンションの2倍の価格で30年で交換しなくてはならない。
エレベーターの台数そのものも多いので、中低層マンションの4倍以上の維持費が発生します。
非常用発電機は1台1億円で15年ごとに交換しなくてはならないし、駐車場の費用も驚くほど高いです。
コンシェルジュと呼ばれる管理人が複数人居てサービスしてくれるが、当然彼らの費用も住人が負担します。
数十年後は湯沢のようなゴーストマンションになる?
郊外のアパートで駐車場月5千円、管理人不在の賃貸物件では、管理費は月5千円以下ですが、タワマンは管理費と修繕積立金で月額2万円以上が相場です。
修繕積立金は最初1万円以内だが老朽化に伴って毎年上昇し、10年後には2万円、15年後に3万円、その後も出費が増えるため上昇し続けます。
新築時に管理費と修繕積立金の合計で2万円だったとしても、15年後には4万円、30年後には5万円以上になるのが予想されます。
これほど修繕積立金が増えるのは法律上の基準が厳しいからで、多くの高額設備は15年か30年ごとに交換や大修理が必要になります。
新築から12年目の修繕では中低層マンションが1戸あたり100万円として、タワマンは120万ほどであまり差がありません。
ところが2回目、3回目と回を重ねるごとにタワマンの修繕費用は割高になり、25年から30年目には1戸あたり240万円以上かかると言われています。
12年ごとに240万円の修繕費用が発生したら毎年20万円の負担、半額にケチったとしても毎年12万円の負担になります。
ところが修繕費をケチるとマンション自体の寿命が短くなり、その分早く老朽化してしまいます。
連想するのがスキーブームに建設した越後湯沢のマンション群で、まったく同じ理由でゴーストマンションになっています。
不動産屋のサイトには10万円以下の高級マンションが並び、ほとんどが100万円以下で売られていますが買い手がつかない。
修繕費用がかかるため0円で購入しても損だからで、このため売り手がお金を払って買ってもらう場合も在るとの事です。
タワーマンションも30年後にそうなっていないとも限らない。