日本政府はF35戦闘機の追加発注を続けていて、配備されるとアメリカに次ぐ運用数になる。
最初に導入決定したF35Aが42機、2018年12月に安倍首相がトランプに約束した分が105機だった。
ちょうどこの頃、F35の共同開発国だったトルコが欧米と対立し、ロシア製対空ミサイルS400の導入計画が持ち上がっていた。
トルコは(一応)NATO加盟国だが、英仏独からは出ていけと言われていて、アメリカからはテロ国家と呼ばれている。
トルコはあのイスラム国を支援し密かに資金や物資を援助した疑いがあり、今もシリアへの重要な輸送ルートになっている。
欧米と対立したトルコに接近したのがロシアで、西側戦闘機を撃墜可能なS400を売ってくれることになった。
アメリカはトルコによってF35の性能などがロシアに漏れる恐れがあるとして、共同開発から排除し引き渡しを拒否した。
トルコに引き渡す予定だったF35は116機で金額にして2兆円以上(導入後費用を含む)、アメリカはこの2兆円分のF35の購入先を探していた。
そこで「私が買いましょう」と言ったのが安倍首相で、日本はアメリカに貸しを作ったことになった。
この「貸し」が日米貿易交渉でアメリカ側を譲歩させたり、日韓対立でアメリカの支持を得るのに役立っている(かも知れない)
米国など外国から購入する兵器は経理上税金から支出するが、実際には日銀が発行する円でドルを買い、そのドルで購入している。
その分の国債を発行して日銀が国債を買い取り、結局のところ無料でF35を購入する事になる。
国債は借金なのでいつか返さなくてはならないが、永久に日銀が保有していれば、返さなくて良い。
政府は米国製兵器の購入額を増やし、後年度払い(ローン)が5兆円を超えているが、それは結局日銀が発行したデータとしての円で払う。
予算不足の自衛隊は旧国鉄債務もびっくりの仕組みで運営されていて、とりあえず日銀が払ってくれるドル建て兵器は魅力的です。
アメリカから兵器を買う事は日米貿易摩擦解消に役立つので、好んでこの手法を使っている。
離島から発進し沖縄と尖閣を防衛
安倍首相が「買いましょう」と言った105機のF35のうち42機がF35B、63機がF35Aでした。
護衛艦いずも型を空母にして搭載するのがF35Bで、垂直離着陸が可能なハリアー後継機です。
ハリアーと軽空母はイギリスとアルゼンチンが戦ったフォークランド紛争で大活躍し、自衛隊も導入を狙っていました。
通常離着陸をする空母とSTOVL機(短距離離陸垂直着陸機)用空母の違いは、離陸重量と離発着に要する時間が異なる。
10万トンの米空母で運用するFA18は燃料満タンミサイルや爆弾も満載して離陸できるが、STOVL機は最低限の燃料と装備でしか離陸できない。
このため装備は少なく作戦可能な行動半径も小さく、離発着に時間がかかるので大量投入もできない。
米空母は一度に40機から80機も投入できるが、軽空母とSTOVL機だと10機か20機で、行動半径は半分ほどで装備搭載量も半分ほどでしょう。
中国が保有する空母遼寧もこういう軽空母でロシア空母も同じ、無いよりは良いが本格空母と戦うことはできません。
だが中国は空母6隻から8隻を保有する計画を持っていて、うち数隻はカタパルト装備の本格空母になるとされています。
日本はこれにどう対処するかなのだが、とりあえず「いずも型」2隻を軽空母にしF35B数機を運用できる。
これでは不足なので沖縄の離島を空軍基地として活用し、F35Bを短い滑走路で運用する。
いずもに搭載したF35Bは短距離滑走し垂直着陸するが、これは軽空母の甲板が大型戦闘機の滑走着陸に耐えられないためです。
短くても離島の滑走路で離着陸すれば、燃料を節約でき装備や燃料の搭載量を増やせる。
F35Bは機内燃料だけで800kmの行動半径を持ち、沖縄の離島基地から尖閣諸島へは、十分に活動範囲になる。
日本は本格空母を保有するのかですが、米空母は50年間で1兆円かかっていて、日本の防衛費がGDP1%程度ではとても無理でしょう。