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日本の国家予算の2/3は固定支出で経済政策に使われない

歳出のほとんどは固定費に消え、経済政策には使われない
2016122303_01_1
画像引用:社会保障5年で3.4兆円削減/政府予算案https://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-12-23/2016122303_01_1.html

予算のほとんどは国債償還と社会福祉

令和2年度予算は過去最高額となる105兆円と発表され、緊縮財政から積極財政へと方向転換するように見える。

予算の3分の1にあたる32.6兆円は社会福祉費、防衛費は5.2兆円、国債の支払いにあてる国債費は25兆円になる。

地方交付金は16兆円、公共事業費が6.3兆円など大型予算が並び、一見景気よく振舞っているようです。



だが内容を見ると日本の国家予算の1/3は社会福祉費、1/4は過去の借金に縛られ、使えるのは42%しかない。

105兆円のうち社会福祉費と国債費で最初から57.6兆円を引かれるので、実質47.4兆円の予算になります。

予算規模が100兆円になる前の平成26年(2014年)は当初予算92.6兆円で、国債費が22.2兆円、社会保障費が29.1兆円だった。

2014年は社会保障と国債費の合計が51.3兆円で、国家予算の55.4%を占めて、実質予算は44%強の41.3兆円だったことになります、

2014年度当初予算92.6兆円から2020年は105兆円に増えたが、政府が使える予算は41.3兆円から47.4兆円に5兆円増えただけです。

政府の支出は12.4兆円増えたのに、使える予算は5.1兆円しか増えていないことに、アベノミクス失敗の原因が詰まっています。

安倍政権の経済成長率は2013年から2018年まで平均1%にとどまっていて、物価上昇率も同じ程度です。

当初目標の成長率2%、物価も2%からすると大失敗だが、どうしてこうなったのでしょうか。

政府が「経済政策に使える予算」を見ると一目瞭然で、物価上昇分の年1%も増えていない「実質マイナス予算」だったからです。

日本の国家予算は実質37兆円しかない

しかも地方交付金の16兆円も自由に使えない予算なので、105兆円と言っても67.3兆円は「政府が使えない予算」です。

安倍首相は残りカスの37.7兆円で何らかの経済政策を実行したとしても、目立った成果を挙げられない筈です。

皮肉なことに最近10年間の日本で成長率が高かったのは、安倍首相がこき下ろす民主党政権下の2010年でした。

2009年にリーマンショックがありマイナス5.4%だったのが、翌年プラス4.1%になっただけで、回復してすらいません。

90年代から現在まで日本の経済政策を決めている財務省は財政均衡(プライマリーバランス)を重視しています。

政府の支出より税収が少ないので、政策的な支出を減らしてきたのだが、社会福祉・国債費・地方交付金は絶対に減らせないので見かけ上の予算は増えました。

一方で予算全体の中の政府が経済政策に使える予算は減り続け、2020年度予算ではたった36%の37.7兆円しかありません。

GDPを増やすに個人消費や民間投資を増やす必要があるが、これらは自然に増える事はありません。

まず政府がお金を使って「政府支出」をし、需要を喚起すると民間投資と個人消費が増えます。

明治維新を考えると分かりやすいが、最初に政府が莫大な投資をして、鉄道や郵便制度や学校を作ったので、民間投資や消費が増えました。

一部の経済学者が言うように、放置すれば自動的に経済が拡大するような事は絶対にありません。

政府が使っている社会福祉費も、老人ホームや介護施設には回っているが、政府の投資としての効率が悪い。

政府がITや先端科学に32兆円使うのと、老人ホームを建てるのに32兆円使うのでは、どっちが日本の競争力が高まるかという話です。

もし「財務省」が明治政府の経済政策を牛耳っていたら、明治維新は起きず今も日本には鉄道が無かったでしょう。

これを変えられないから安倍政権下の経済は低迷し、今後も低迷するのです。

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