自動車、不動産、インフラも不振
中国の消費経済は不動産と自動車に支えられていて、消費は結局政府の公共投資に支えられている。
中国政府は年間300兆円以上の公共投資を行って80兆円程度経済成長しているので、毎年300兆円公的債務が増えている。
IMFや世界銀行も中国にこうした債務膨張を止めるよう警告しているが、止めることはできない。
公共投資を止めたら経済成長が止まるだけでなく、資産価値の暴落が起きて経済が崩壊してしまう。
特に危ないのが不動産市場で、地方政府が債券を発行するなどして資金集めをして買い支えている。
地方政府の名前で投資を募り、シャドーバンクが高金利で投資を募集しているが、内容は不動産買い支えに過ぎない。
中国の不動産実需はとっくに飽和状態だが、政府が主導して新たな土地開発を続け、鉄道や道路整備もしている。
この結果誰も住んでいない10万人規模の街がゴロゴロ存在し、無人の列車が無人の街を走っている。
都市を建設しインフラ整備し列車を走らせれば、人が住んでいるのと同じようにGDPに計上する事ができる。
このようにしてGDP成長年率6%以上を維持しようとしているが、来年の成長率は6%を割り込むと予想されている。
そのGDP調査そのものも、少なくとも2割から3割”ゲタ”を履かせているというのが世界の定説です。
自動車市場、不動産市場、株式市場など経済を支える主要市場で、資金枯れが鮮明になっている。
内需は停滞し経常赤字国に転落
新車販売台数は連続13カ月のマイナスで去年の2/3まで減少し、景気悪化すれば今後さらに減少する。
2018年の不動産投資は180兆円に達し、GDPの1割以上に達している。
米中貿易摩擦の激化によって輸出企業の業績が不振になり、本来は内需を活性化し内需転換を図る必要がある。
公的機関の輸出信用保険公社が支援に乗り出しており、中国の輸出企業と保険契約をしている。
米中貿易摩擦で中国企業が損失を受ける恐れがあり、民間保険はリスクを嫌って応じない場合がある為です。
地方政府が保険料を払っている場合もあり、米国は不公正貿易の一例だと批判しています。
19年8月の中国輸出は1%減、輸入は6%減と伸びが止まり、米中貿易摩擦のダメージが表面化してきた。
2018年夏までは輸出15%増、輸入は20%増のペースだったが、18年末からゼロ成長ペースまで低下した。
対米貿易では輸出は16%減、輸入は22%減、対米黒字は前年同月から13%減少した。
米国がさらに対中制裁を強化すると、中国が経常赤字に転落する可能性が高くなる。
2018年の中国の経常黒字はGDPの0.4%に過ぎず、2000年代後半の10%超から急減速している。
貿易以外の対外取引が赤字なのに、貿易黒字が急速に縮小してしまっている。
このペースだと来年にも経常赤字になる可能性があり、中国経済がどうなるのか注目される。