マツダ車が11か月連続世界販売減
最近のマツダ車は全部同じ見た目で広告写真も全部同じ赤い色、車名も廃止されてCX-3のような記号になった。
次世代エネルギー対応でも独自姿勢を貫き、他社がディーゼル廃止した時もディーゼルエンジンを推進した。
ハイブリッドやEVに消極的で、最近ようやく最初の試作車を発表したが、他社とくらべてかなり遅い。
これらはマツダのブランド戦略から来ていて、10年ほど前からコーポレート・アイデンティティ戦略という事を言っていました。
コーポレート・アイデンティティとは企業文化を象徴するような見た目、デザインでアップル社の製品を思い浮かべると分かりやすい。
iPhoneなどアップル社のどの製品を手に取ってもアップルらしさがあり、日本ではソニー製品が少し近いかもしれない。
自動車メーカーではBMWやメルセデス、ポルシェなどドイツ車の独壇場で、BMWは「どれも同じ」と言えるほど似通っている。
マツダもBMWのようにアイデンティティを確立しようと思い立ち、全車見た目を同じにし車名を記号に変えた。
最初は良かったのだが2018年から19年の情況を見ると、世界販売が7月まで11か月連続減で8月もマイナスだったでしょう。
中国とアメリカの2大市場で販売が減少していて、ブランド戦略は成功していないようです。
アメリカではもともとドイツ車が弱く、マツダが模範とするBMWよりトヨタやホンダの方が売れていた。
アメリカ人はBMWのような「どれも同じ見た目」の車を好んでいなかったので、見習ったマツダも販売が減少した。
買いたい車と売りたい車がずれている
中国ではドイツ車が人気だがそれは高級車や高級イメージを買っているので、マツダは高級車ではなかった。
マツダはカーマニアが喜ぶこだわりの車というイメージを展開しているが、こだわらない人には迷惑な話かも知れない。
マツダはキャロルやファミリアやデミオのような低価格コンパクト車でヒットを飛ばしたメーカーでした。
一方でRX7やMX5(ロードスター)のようなスポーツカーはマニアから高く評価されている。
マツダが目指したのは車名からしてRX7やMX5のイメージらしいが、多くの客が求めているのはファミリアやデミオでした。
こうした車を買うのは女性が多いが、真っ黒とか真っ赤な車ばかりで女性が好むデザインとは思えない。
見た目以上に深刻かも知れないのが燃焼式エンジンへのこだわりで、EVやHVには目もくれずひたすらガソリンとディーゼルを開発している。
トヨタの予想によると10年後でもEVのシェアは10%でHVと合わせても20%に届かず、特に新興国と後進国は普及が遅れる。
先進的なEVを投入するよりエンジン車を後進国で売って手堅く儲けるという戦略は間違っていない。
だがここでも客が望んでいるものとマツダが売りたいものがずれていて、こだわりのエンジンやロータリーエンジンを開発している。
マツダはトヨタと資本提携していて、EVやHV技術はトヨタから貰えば良いと考えているのかもしれない。
2018年にはトヨタがマツダを買収しダイハツのようなトヨタ傘下に入るという噂があったが、販売不振が続くとそうなりかねない。
トヨタにとってマツダ車はあまり魅力がないが、ガソリンエンジンと生産工場は魅力があるでしょう。