過去1年ほどで世界のスマホメーカーの勢力図は大きく変化したが、今後も予想がつかない。
世界スマホ出荷台数は2017年に初のマイナスとなり18年もマイナス、2019年前半もマイナスで通年では3%マイナス予想になっている(ガードナー社調査)
スマホはもう成長産業ではなく良く言えば成熟産業、悪く言えば飽和した市場と言える。
スマホ販売が頭打ちになった理由は欲しい人に行き渡ったのと長寿命化で、初期のスマホは毎年買い替えるものでした。
初期のスマホは半年ごとにニューモデルが登場し従来型より格段に性能向上したのですぐ買い替えました。
2010年代前半はスマホは最先端ファッションでもあったので、古いスマホは流行ファッションにふさわしくなかった。
今のスマホは2年前の商品でも見劣りせず、耐久性も向上しているので軽く4年以上は使用できます。
スマホメーカーも様変わりしアップル社の独占だったのがアンドロイド登場でサムスンが首位になった。
その後中国メーカーが台頭しファーウェイは2位でアップルは3位、4位以下はXiaomi、vivo、oppoなど中国勢が接戦を演じている。
メーカーの国籍では中国製スマホが過半数を占め、上位は全てアジア工場で製造され、最近は東南アジア製が増加している。
2019年前半には米国がファーウェイを制裁する「ファーウェイショック」があったが効果は限定的だった。
各国が輸入禁止にしたのはファーウェイの通信設備だけで、スマホ販売を禁止したのはアメリカだけでした。
ファーウェイはアンドロイドOSの利用を禁止されたが、今年いっぱいくらいは過去に契約した分の利用ができる。
完全にアンドロイドOSが使用不可になるのは来年からなので、販売力を維持できるか注目される。
ファーウェイショックで一息ついたのは追い上げられていたサムスンで、しばらくの間首位を維持できるでしょう。
スマホの多くが中国メーカーや中国工場製
2019年第二四半期の世界販売はサムスンが前年比3.8%増に対してファーウェイ16.5%増なので、まだファーウェイは失速していない。
アップルは前年比マイナスだったがiPhone 11が発表される前なので、第3四半期では増加している可能性が高い。
アップルは新機種発売前は減少し新機種発表で増加するパターンを繰り返しているが、通算するとシェアは少しずつ低下している。
iPhoneがスマホ性能でサムスンやファーウェイに抜かれて数年が経つが、最近はアプリやソフトの充実度でもアンドロイド勢が良くなっている。
仮にファーウェイとサムスンが揃ってずっこけたとしても、他のアンドロイド勢がシェアを奪いアップルは減少が続くでしょう。
首位のサムスンは最近中国工場を閉鎖して、中国市場から撤退すると発表しました。
サムスンは数年前中国でシェア15%だったが最近は1%未満でゼロだった事すらあった。
きっかけは2017年に韓国がサードミサイルを配備したのに中国が制裁を課した事で、韓国製自動車も売れなくなった。
制裁は解除されたがサムスン製スマホの売り上げは回復せず、今後はインドやアフリカに注力する。
日本勢はシャープ、東芝、ソニーが参戦しているが世界シェアを取るほどではなく、スマホ誕生以来ずっと苦戦が続いている。
日本メーカーはなぜスマホが苦手なのかは日本の7不思議だが、今後も急速な好転は望めそうもない。
日本としてはスマホを開発するより部品や素材でシェアを握ってしっかり儲ける考えのようです。