トランプ大統領が就任した2017年1月からトランプ相場が始まり相場は大きな変動幅で上下してきました。
米国株や各国との為替レート、債券市場や日本株などがトランプの発言やツイッターに振り回され一喜一憂した。
だがそうした一喜一憂はすべて見せかけで、激しい上下動を均してみると見かけほど大きく動いていないかも知れない。
S&P500株価指数は2017年1月に2271ドル、18年1月に2872ドル、19年1月に2632ドル、19年10月現在は2910ドルとなっている。
トランプは就任以来アベノミクスを真似したのか中央銀行FRBに介入し、積極的な金融緩和や利下げを行わせて景気刺激した。
S&Pを見ると就任1年目は大きな効果を上げたのが分かるが、2年目以降はほとんど変化がなくなっている。
トランプがツイッターで色々な事を呟くと市場が反応し株価は上下するが、時間が経つと2900ドル前後に戻ってくる。
これは安倍首相のアベノミクスとそっくりで、就任直後の2013年は目覚ましい効果があったが、2年目以降は鳩山や管直人より成長率が低い。
金融緩和など中央銀行に出来るのは資金供給を絞るか開くかだけなので、それで持続的な経済成長をする筈がない。
アベノミクスの失敗原因は日銀の禁輸緩和だけに頼り切って財政出動をしなかったからで、市場にはお金が余っているのに誰も使わない状況になった。
こんな時はルーズベルトや中曽根のように政府がドーンとお金を使えば景気が良くなるのだが、安倍政権は逆に支出を引き締めた。
安倍政権下で国家予算は増えているが、国債償還や社会福祉など固定支出が増えただけで、景気対策になる政策支出は減少しました。
経済音痴のトランプ大統領
トランプ政権になって米国家予算は年数%増えているが、次第に経済の息切れが目立ってきている。
各種の経済指標やレポートではアメリカの景気が減速し、停滞期に入りつつあるという報告がされている。
中央銀行が金融緩和して政府が財政支出を増やしたのに経済が停滞したら、事態はかなり深刻だと言える。
FRBはトランプの要請で何度か利下げしたのでその分新たに利下げする余地は少なくなっている。
トランプ政権はオバマ時代より予算規模を増やしたので、財政出動の余地もその分小さくなっている。
トランプが行ってきた諸外国への関税制裁は、米経済を悪化させたようだった。
トランプ大統領はアメリカの貿易収支をとても重視していて、アメリカに対して貿易黒字の国に圧力をかけた。
日本や中国やEU諸国、メキシコやカナダや韓国などにそれぞれ貿易黒字を解消するよう迫った。
日本はトウモロコシや戦闘機を大量に購入してごまかしたが、中国は関税制裁を受けEUも制裁発動で脅している。
トランプは貿易赤字は損で貿易黒字は儲けだと考えているようだが、これは50年か100年は古い考え方です。
実際にはアメリカは中国やメキシコの労働者を安く働かせ、輸入した製品をアメリカで活用する事で経済成長しています。
貿易赤字こそアメリカの内需が活発な証拠で、輸出国が儲けているというのは錯覚に過ぎません。
実際日本は膨大な経常黒字をため込んでいるが「儲かって」など居ないしアメリカよりずっと成長率が低い。
日本は経済活動が弱く内需が弱いから輸入が少なく、むしろ貿易黒字は貧乏の証拠とすら言える。