トランプ大統領は2016年の大統領選でヒラリーに勝利し翌年就任したが、様々な限界を露呈している。
限界の一つは外交で当初非常に強硬に見えたが、北朝鮮やイラクなどには弱腰の融和政策を展開している。
トランプは軍事行動を極端に嫌い、米メディアによると米国史上最も軍事行動をしない大統領だそうです。
トランプは対立する相手国が軍事行動をちらつかせると簡単に譲歩し、北朝鮮の金正恩に操られている。
軍事行動を取らないと分かっている相手には非常に冷淡で、ドイツなど欧州諸国に北朝鮮以下の扱いをしている。
トランプが軍事行動の次に弱いのはプレゼントで、安倍首相はトランプと会うたびに戦闘機購入など数千億円の贈り物を用意する。
トランプは相手国が用意する贈り物で態度を変化させ、高価な贈り物だとツイッターで褒めてもらえる。
だがこうしたプレゼントは表面的なものばかりで、それがアメリカの国益になるかは甚だ疑問です。
先日安倍首相はトランプ大統領との首脳会談で大量のトウモロコシや戦闘機購入を申し出ていました。
トランプは例によってツイッターで自分の外交成果だと誇っていたが、トウモロコシを売るのが大統領の仕事でしょうか?
もっと大局的見地から親しくする国と対立する国を見極めるべきだと思うが、トランプはプレゼントの金額で親しくする国を決めている。
実はクリントン大統領とヒラリー国務長官時代はもっと酷い事をしていて、アメリカ外交を販売していました。
トランプは経済を勘違いしている
どういう事かというとクリントンとヒラリーは自分の財団を作り、アメリカとコネクションを持ちたい国に寄付をさせていました。
クリントン大統領やヒラリー国務長官と会談するには、まずクリントン財団に寄付しないと会って貰えませんでした。
清廉潔白を主張するクリントン夫婦がこれなので、トランプ一家がどんな金儲けをしているか想像できません。
トランプ大統領は不動産事業で大成功して財を成し、テレビ番組で金持ちになる方法を指導したりしていました。
大統領として経済的手腕を発揮するのが期待されたが、これがまた表面的でどうでも良い事しかしていません。
外国の自動車に関税をかけたり外国メーカーに工場を作らせたり、米ビッグ3に国内生産を強要するような事です。
それらは重要ではあるものの大統領の仕事ではなく、州知事や商務省がやるような事です。
トランプが勘違いしているのは輸出するとアメリカの儲け、輸入したら損という考え方で、日本の財務官僚や自民党政治家もそう考えています。
そんなのは戦前かせいぜい1970年代までの考え方で、現代では通用しません。
今世界のGDP上位で輸出大国と言えるのは中国、ドイツ、日本、韓国くらいで日本はどんどん貿易黒字を減らしています。
上位20位とか30位のほとんどは貿易赤字で輸入国家だが、輸入国家の方が健全に長期間経済成長しています。
EU加盟国はドイツ以外すべて貿易赤字国だが、誰も困っていないしドイツより経済が健全なくらいです。
トランプ経済は行って戻るだけ
輸出国家は輸出して代金を得て、その代金で輸入することで利益を得て経済成長しています。
輸入国家は代金を払って輸入し、輸入した製品を自国で使用して内需によって経済成長します。
内需主導国のほうが世界経済の悪影響を受けにくいので、リーマンショックでも打撃を受けずすぐ立ち直りました。
一方輸出国家は世界貿易が縮小すると大きな打撃を受け、リーマンショックでは関係ない日本が最大のダメージを受けた。
輸出国家なんてのは今時流行らないし、なんのメリットもないのです。
アメリカが貿易赤字を解消して貿易黒字になったら、かえってアメリカ経済は縮小し、株価は下がり経済成長率も低下する筈です。
トランプが頑張って貿易赤字を解消するほどアメリカ経済は弱くなり、貿易黒字になったら「日本並み」になってしまいます。
トランプがやっている中央銀行FRBへの圧力も愚かな限りで、中央銀行に圧力を掛けて動かしても経済は拡大しません。
アベノミクスも同じですが金融緩和で経済成長するのは最初の1回だけで、2回目からは効果がなくなります。
金融緩和はお金を増やすので1回は経済が拡大するが、何度やってもお金の量が増えるだけで経済そのものは拡大しません。
トランプが色々な事をやって経済指標は上がっても、時間が経つと下がってしまいトータルゼロ、何もしなかったのと同じになります。
それもこれもトランプには経済が分かっていないからで、自分がビジネスで儲けるのと大統領として優秀なのは違います。