中東情勢が再びきな臭くなり、情勢次第では米国の派兵や連合軍結成の可能性も出てくる。
事の始まりはオバマ米大統領が2016年にイラン制裁解除した事で、両国は1978年以来40年ぶりに国交正常化した。
ところが制裁解除の前提である核開発をイランが継続したため、トランプ大統領は2018年にイランを再制裁しました。
解除前より強い制裁を受けてイランは反発し、ペルシャ湾への航路であるホルムズ海峡でイギリスや日本タンカーを攻撃した。
この攻撃は武装勢力の名をかたっているが、実際にはイラン政府が関与したかイラン軍が行っている。
トランプ政権でイランにもっとも強硬派だったのがボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)だったがイランや北朝鮮は解任を強く要求した。
北やイランがボルトンを解任しないなら交渉に応じないと主張したのでトランプは19年9月にボルトンを解任した。
その4日後にサウジの油田施設がドローンによる奇襲攻撃を受け炎上し、サウジの石油施設が大打撃を受けた。
サウジアラビアはアメリカの同盟国で米軍が駐留しており、イランやイラクやシリアと敵対している。
トランプ大統領は対イラク戦争から駐留していたシリアに展開する米軍に撤退を命じ、19年10月7日に撤退を開始した。
こうした情勢下で動いたのがトルコの独裁者エルドアン大統領で、トルコは10月9日シリア北東部への軍事作戦を開始した。
標的はトルコがテロリストと呼ぶクルド人勢力だが、実はクルド人が先住民族でトルコ人やアラブ人は外来人種です。
クルド人の悲劇
クルド人は世界最古のメソポタミア文明の末裔とされ、エジプト文明より古くから中東に住んでいました。
だがメソポタミアやエジプト文明は衰退し、ローマ帝国やオスマントルコ帝国といった帝国の時代になった。
クルド人はオスマン帝国に支配されたが第一次大戦でトルコは敗戦国になり欧米殖民地に組み込まれた。
第二次大戦後は近代国家が中東に誕生したが、クルド人は欧米との駆け引きに失敗し領土を持つことができなかった。
クルド人は地方勢力として独立戦争を戦っているが、周辺諸国と欧米はテロ組織として攻撃している。
という流れでクルド人こそ先住民族でアラブや欧米やトルコは侵略者という立場です。
クルド人は正当な土地所有者なのに、アメリカやロシアやトルコやシリアなど全世界から攻撃されています。
そのクルド人をトルコの独裁者がテロ組織として攻撃していて、アメリカは散々利用して騙して捨てました。
アメリカは湾岸戦争でも対イラク戦争でも対ISでもクルド人を利用し戦わせたが、今回も独立を認めませんでした。
アメリカ人が言う正義ってのは、自分に都合がいい時だけの話らしいです。
16年ぶりに米軍がサウジ駐留
トルコによるシリアのクルド人攻撃の2日後、今度はサウジ沖を航行中のイランタンカーが爆発炎上しました。
イラン側は2発のミサイル攻撃を受けたと主張しているが、サウジから飛来したのではないとも言って引火す。
今までホルムズ海峡でタンカーを攻撃していたのはイラン軍かイラン武装勢力だったが、今度はイランのタンカーが攻撃されました。
疑わしいのはどこかの武装組織やサウジ、イランと周辺国やアメリカを戦わせたい何者かでしょう。
イランによる自作自演の可能性もあり、中東はますます混迷の度合いを強めています。
イランやシリアやトルコなどアメリカと対立する国を支援しているのがロシアと中国で、こうした国は中ロ製の兵器を使用している。
こうした状況下でアメリカはサウジアラビアの米軍3000人を増派し、19年5月以降で1万4000人増えている。
米軍は2003年にサウジアラビアから撤退しているが、2019年に駐留を再開し現在1万5000人ほど居ると考えられる。
中東情勢がさらに混乱すると日本にも派兵要請が来て、自分のタンカーは自分で守れと言われるでしょう。