ベストセラー旅客機ボーイング737の最近型、737MAXの墜落をきっかけに欠陥騒動が起きている。
始まりは2018年10月29日ライオン・エア610便が、2019年3月10日エチオピア航空302便が同じような状況で墜落した事でした。
ライオン・エア610便はジャカルタを離陸約10分後に海上に墜落し全員がなくなりました。
エチオピア航空302便はエチオピアの空港を離陸後約6分で墜落し、やはり全員がなくなりました。
同じように離陸1分から3分後に機長は問題を訴え空港へ引き返すと連絡し、その後レーダーから消えた。
一定の高度を保てず上昇と降下を繰り返して、エチオピア航空302便は地表にクレーターができるほど高速が出ていた。
両機とも最後の瞬間に尾翼の水平安定板が機首下げ一杯になっていて、急降下中だったのを示していた。
ライオン・エア610便は事故前の飛行で4回も、対気速度計が誤った速度を示す出来事があった。
同機は事故後の調査で迎角センサーが間違った角度を示し、左右で最大20度の違いが出ていたのが分かった。
エチオピア航空302便の迎角センサーや対気速度計の状態は分かっていないが、同じ原因だった可能性が疑われている。
焦点はMCAS(失速回避システム)の誤動作に移り、プログラミングの単純な打ち間違いだったのが分かった。
MCASは左右にある迎角センサーやフラップ角・対空速度・高度などから失速を探知すると自動的に水平安定板を操作する。
時給10ドルのアルバイトが書いたプログラムが原因
実際より20度も機首上げの状態に誤認したら、航空機は機体を水平に保とうとして急降下を始めます。
操縦士は手動で機首上げを試みるが、MCASは水平状態を機首上げと誤認しているので、また急降下を始める。
こうしてライオン・エア610便とエチオピア航空302便は、上下に激しく高度を変えながら海面や地表に突っ込んだ。
操縦中にMCASを解除するには複雑な操作手順が必要で、緊急時には不可能になっていました。
ボーイング社は2016年後半にシミュレーターによる試験で、パイロットから欠陥を指摘されていました。
ボーイング社は737MAXの運航停止や経済的損失を懸念し、米連邦航空局(FAA)に報告しなかったと見られる。
最近のボーイング社はコストダウンのために部品や開発の外注が多く、B787の欠陥騒動にもつながった。
報道によると2件の墜落事故を引き起こしたソフトウェアのプログラムは、外注先の企業が低賃金のアルバイトに書かせていた。
完成したソフトウェアの評価試験もまた、低賃金のアルバイトや外部委託でやらせていたとされている。
プログラムはインド企業に外注され、エンジニアは大学を卒業したばかりのインド人などだったという。
エンジニアの時給は10ドル程度で、ボーイング社のベテランエンジニアは彼らのプログラムは正しく記述されていなかったと証言している。
こうしたコストダウンは成功し、ボーイング社は数百人ものベテランエンジニアを解雇し、テストも外注に出した。
アルバイトエンジニアらは適当に試験したか理解していなかったかで、失敗作のソフトウェアに合格の評価を出した。
2機のB737MAXは、いずれ墜落するべくして墜落したと言える。