2019年11月15日午後、韓国がGSOMIA破棄しないよう説得のため訪韓した米エスパー国防長官と、文大統領が会談しました。
GSOMIA失効は11月23日に迫っており、アメリカとしては最後の説得の意味だったと思われます。
文大統領は日本が輸出規制したのが原因だとして、日本が優遇措置を回復しない限り軍事情報を共有できないという見方を示した。
そのうえで韓国大統領府は失効まで数日残っているとし、日本が優遇措置を回復すれば破棄を見直すと重ねで発言した。
韓国側はGSOMIA破棄を表明する前から、日本の優遇措置回復とGSOMIA破棄は取引だと明言している。
対する日本は韓国の国際法違反と条約不履行が原因だとしていて、韓国側の違反行為が解消されない限り優遇措置回復もない。
アメリカはGSOMIAは日米韓にとどまらず、米韓軍事同盟にとって重要だとして、繰り返し破棄撤回を求めてきた。
アメリカはGSOMIA解消なら米韓同盟も維持できないと言っているが、韓国側はGSOMIAが失効しても韓米同盟は盤石だと反論している。
同盟の主となる国が崩壊寸前だと警告しているのに従属する側の国が盤石だというのも、なかなか面白い話です。
米側とトランプ大統領は米韓軍事同盟維持には、韓国側が従来の5倍に相当する47億ドル(約5100億円)を負担する必要があると言っている。
在韓米軍のほとんどは既に撤退が決まっているが、韓国は在韓米軍が韓国軍の指揮下に入るよう要求している。
これをアメリカ側から見ると、韓国の命令で在韓米軍が在日米軍と戦ったり、日本攻撃をする羽目になり到底受け入れられない。
韓国の地位はトルコ並みになる
出てくる答えはたった一つで、米軍は韓国から撤退し米韓軍事同盟は希薄化し名目だけになる。
アメリカは東アジアの最前線を韓国と考えていたが、防衛線を日本まで後退させる戦略に転換している。
東アジアで韓国だけがこうしたアメリカの変化に気づいておらず、ママに甘える子供のように振舞っている。
米軍のほとんどが韓国から撤退し米韓同盟が名目だけになるとどうなるのか?トルコの例が分かりやすい。
トルコは独裁者のエルドアンが2014年に大統領に就任してからオバマのアメリカと険悪になり、トランプ政権ではもっと険悪になった。
エルドアンはアメリカの要請でトルコ初の民主選挙で選ばれた大統領だったが、すぐ独裁者になった。
なぜ民主選挙なのに独裁者が誕生するのかは、実は民主化すると多くの国で右傾化し独裁者が産まれる法則がある。
ドイツのヒトラーがそうだし帝政ロシアで民主主義を導入したらスターリンが権力を握ってしまった。
第一次大戦と第二次大戦は各国が民主主義を導入する過程で起きていて、アフリカの多くの国は民主選挙をやったら独裁国家になった。
こんな具合にトルコも良くある中東の独裁国家になり、欧州やアメリカと対立し同盟関係も崩壊した。
トルコは一応NATO加盟国だが事実上は排除されていて、米英独仏は「トルコを守らない」と宣言している。
2015年11月24日にトルコ領内に侵入したロシアのSu-24戦闘爆撃機をトルコのF-16が撃墜する事件が発生しました。
100%ロシアに非があったのだが米英仏は「トルコ軍がロシア軍機を撃墜したので参戦義務はない」として支援を拒否した。
例えば北朝鮮から爆撃機が飛んできてそれを韓国が迎撃したらアメリカが「韓国の攻撃だから参戦しない」と言うに等しい。
このように同盟が希薄化するといくらでも抜け道があり、アメリカは参戦を拒否することが出来る。
米韓軍事同盟が希薄化すると韓国の立場はトルコ並みになるのだが、韓国人だけが分かっていない。