現代の戦闘機開発は非常に高価なものになっているが、中でもF-35戦闘機はすべてがけた外れのスケールになっている。
元々アメリカはF-22戦闘機を開発していたが、オバマ大統領が高すぎると言って中止してF-35開発を命じた。
F-22がの開発費用は324億ドルで1機あたり調達費は約1億5,000万ドルでユニットコストは4億1,200万USドルだった。
数年前の報告でF-35は既に40兆円の開発費が投入され、完成までにまだかなりの金額が必要だった。
おそらく現在は50兆円程度が投入された筈だが、まだF35は完成しておらず実戦に投入できない状態が続いている。
米国防省はF-35の開発費と生涯コストを総額1兆5300億ドルと見積もっていたが、これすら少なすぎるのが明らかになった。
19年11月の米会計検査院のレポートによると、F-35の購入費用は約45兆円以上で維持費は110兆円以上になると書かれていました。
これには開発費が含まれていないので合計すると200兆円、これでもまだ今後発生する開発費が含まれていません。
コスト削減のためにF-22を生産中止しF-35開発を命じたオバマ大統領の決定は大きな間違いでした。
ただF-22は用途が限られる制空戦闘機で、どのみちより多目的に使用できる戦闘機が必要なのは違いが無かった。
F-22は小型ミサイルを内蔵して地上設備を攻撃できるかも知れないが、大規模な地上攻撃を行えない。
空母や強襲揚陸艦への搭載も不可能だし、海軍や海兵隊が使用する事もできず、搭載機器は90年代レベルなので旧式化している。
人類史上もっとも高価な航空機
F-35の間違いはオバマのコスト削減命令に原因があり、3つのまったく異なる機体をひとつにまとめようとした。
電子レンジとオーブンとIHコンロを一緒にした商品のようなもので、別々に買う方が高品質だし安い。
F-35は空軍仕様と空母搭載用と垂直離着陸用の3タイプがあるが、それぞれを別々に開発するべきだった。
さらにオバマの素人考えで本来双発エンジンとすべきだったのに単発としたため、推力不足やエンジンの加熱、故障が続出した。
空軍用F-35Aは最も構造が単純なのでトラブルも少ないが、垂直離着陸するF-35Bは兵器満載すると推力が足りず航続距離も足りない。
F-35Bは強襲揚陸艦から爆弾を満載して離陸し、敵レーダーや飛行場などを攻撃するので、搭載重量が多くなる。
日本が主に使用するF-35Aは対空ミサイルしか搭載しないので、推力不足はそれほど問題にならない。
だがソフトウェアの開発途上なので実践投入は禁止されていて、いつ完成するのか分かっていない。
おかしな事だが日本のF35Aが中国やロシア軍機にスクランブル発進するには、F-15やF-4が護衛しなくてはならない。
米軍のF-35調達予定は2443機なので、200兆円を機数で割ると1機あたり約820億円になります。
ちなみに米軍F-15の生涯コストは100億円程度だったので、インフレ率を考えても非常に高いです。
米軍の戦闘機はおよそ10年で生産終了し20年ごとに空軍機と海軍機を世代交代してきました。
200兆円かけた戦闘機もたった20年で「旧世代」になってしまい、また数百兆円かけて新型戦闘機が必要になります。
これではたまらんというので米軍は従来型戦闘機を辞めてしまい、低コストな無人機を重視し有人機は大幅に減らすでしょう。