韓国人は自分たちが置かれている苦境を表すのに、数年前からヘルコリアという造語を使っている。
若者の失業率は実質25%、国全体でも10%以上で一生まともな就職ができない人が多い。
大学新卒の就職内定率は10%以下で、多くの人は大学を出てから就職予備校に通って英語や技術の資格を取得する。
韓国最大の勝者はサムスンの社員になることだが、サムスンの平均採用年齢は30歳以上になっている。
平均退職年齢は45歳なので働けるのはたった15年だけ、これは即戦力を採用し使えなくなると解雇するサムスン流から来ている。
サムスンで45歳を過ぎて働けるのは部長級以上に昇進する人だが、超エリートと創業一族と取り巻けだけに限られている。
サムスンを辞めた人は中企業に就職するが、数年で解雇され小企業に、零細企業へと落ちていき、最後は露天商やアルバイトになる。
勝ち組ですらこの有様なので、大学卒でない人や、大学は出たものの就職に失敗した人は底辺生活になる。
韓国は建築法がいい加減なので半地下や屋上のプレハブに低家賃住宅で住んでいる人が多い。
あるいは考試院という浪人受験生用の低家賃住宅に住む人が数十万人に達している。
もっと下もありビニールハウスを改造したビニール住宅、鉄パイプとシートで自作したバラックもある。
こうした低家賃住居に住んで非正規労働で生きている韓国人が1割以上居ると考えられている。
非正規労働者45%
韓国人労働者の3割が非正規労働者だが、残りの正社員も大企業の下請けや孫請けが多い。
2017年にサムスン重工業の巨済造船所でクレーンが倒れる事故があり、なくなった6人と負傷した25人全員が下請け労働者だった。
サムスン造船所で働く労働者の9割が下請け労働者で、他の造船所や工場も同じような状況にある。
この事故ではサムスンは責任を追及されず、遺族や負傷者にはサムスンを告訴しない誓約書と引き換えに慰謝料を支払ったという。
韓国の大企業は社員の非正規化や下請け化を進めていて、サムスンは年間100億円以上も、労災コストを削減した。
その実態は社員を下請けと非正規に置き換えて、事故があっても保証しないことでコストカットした。
韓国の有名財閥正社員の給与は日本と比べてもそこそこ良いが、下請けとなると半分も貰えれば好待遇と言える。
韓国には日本のような正社員制度がないので、正社員でないから非正規という明確な区別はできない。
日本の非正規は4割で韓国は約35%だが、区分の仕方によっては韓国は4割や5割以上になりえる。
韓国では常時雇用のフルタイム労働者と臨時雇用のパートタイムという分け方が一般的で、通常はパートタイムを非正規労働者と呼んでいる。
だが日本にもフルタイムのアルバイトや派遣や契約社員がいる訳で、韓国の実態は4割以上だと考えられる。
韓国の労働組合団体の定義によると45%が非正規労働者で、この方がヘルコリアの実態に近い。
非正規労働者の多くはサービス残業が常態化していて、何時間働いても基本給しか貰えないのが普通です。
ケガや病気は自分持ちでボーナスや保険や年金もなく貯金ゼロが大半の韓国の若者です。