2019年12月17日のAFP通信は、欧州プロテニス界で大規模な八百長が行われていると報じました。
記事はドイツメディアが12月15日に報じた内容の引用で、世界ランキング30位以内の選手を含む135人以上が関与していると書かれている。
選手らは米連邦捜査局(FBI)と欧州当局の捜査対象になっており、国際的な八百長事件に発展している。
一人は男子の世界トップ30選手で、今までにATPツアーで3勝を挙げた選手で、テニスファンには想像がつくと思われます。
ベルギーの捜査当局は、八百長ネットワークが欧州7か国に広がり、大規模な賭けの対象になっていると指摘した。
1試合の賭け利益は数万ユーロにもなり、国際マフィアが関与し資金源になっているという。
この疑惑は八百長を持ち掛けられたアルゼンチンのマルコ・トルンゲリッティの告発で表面化した。
マルコ・トルンゲリッティは日本の錦織選手と対戦した事もあり、「ランキング50位以内の選手が関与し、全レベルの大会で行われている」と話した。
もっと驚くのはこの八百長スキャンダルがテニス界で大した話題にならず、当たり前の事として聞き流されている。
以前相撲の八百長疑惑の時、欧米のスポーツメディアが大騒ぎしていたが、彼ら全員がテニスの八百長には沈黙している。
実際テニスの八百長は珍しくもなんともなく、今まで何度も発覚し処分された人も居るが、関係者は当然の事と問題にしていない。
以前松井秀樹が東京ドームでホームランを量産した時、「エアコンの風でホームランを作っている」とマスコミで騒がれた。
不正防止機関は上位の選手を取り締まらない
欧州テニス界の八百長は日常化しており、ドームの送風ホームランほどにすら問題になっていない。
2018年11月21日には八百長を行った男子テニスのダニエレ・ブラッチアリに、永久追放と罰金25万ドル(約2800万円)が課されている。
2019年1月10日にはスペイン警察が28人のプロ選手を含む83人を逮捕した。
2016年には英BBC放送が、世界4大大会を含む大掛かりな八百長が行われていると放送しました。
2007年までの10年間で、世界ランク50位以内に入っている16人が、不正を行っているとして防止機関に報告された。
2008年には28人の選手が八百長に関与した疑いがあるとして、調査勧告を行っていました。
不正防止機関のテニス・インテグリティ・ユニット(TIU)は何度不正を報告されても処分を拒否してきました。
最近になってTIUはランキング下位の選手だけを、スケープゴートのように処分しているが、トップクラスの不正は絶対に認めない。
その理由はランキング上位の選手が逮捕されたり資格はく奪したら、彼らの金儲けに支障があるからでしょう。
テニスもサッカーもショー
テニスよりさらに酷いのがプロサッカー界で、ブラジルW杯やリオ五輪では公然と賭けが行われ、「試合結果」を売買していたと報じられていました。
南米では賭けスポーツが盛んなので非合法の賭けがあらゆる場所で行われ、予想や試合結果を教える人間がいる。
それが本当の試合結果なのか神のみぞ知るだが、2分の1の確率で当たるのだから言ったもの勝ちという事でしょう。
日本でも競馬などの公営競技で「あらかじめ話し合ってレース結果は決まっている」と指南して指南料を取る悪徳コーチ屋がいます。
国際マフィアは義理堅いのか、ウソの試合結果をコーチするだけでなく、本当に選手や監督に働きかけて八百長をさせようとします。
元日本代表監督アギーレはスペインリーグ時代の八百長で起訴されたが、この時選手ら40人も同時に起訴されている。
結局アギーレは無罪になったが「証拠不十分」という理由で、八百長に関与しなかったという判決ではない。
2019年にもスペインでクラブ会長ら10人が逮捕されたが、アルバニア1部リーグのスカンデルベウ・コルチャは8年間53試合で八百長をしたとして処分された。
アルジェリア、韓国、イタリアなど各国で八百長が発覚し、ドイツ警察は2009年に200試合で八百長を行ったとして17人を逮捕している。
そして日本なのだが、この国では八百長罪という犯罪が無いので警察が捜査したり逮捕されることが絶対にない。
つまりあらゆる八百長が合法な数少ない国が日本なわけで、その国で八百長が一切行われていないとしたら奇跡としか言いようがない。
日本でも八百長を罰する法律をつくるべきだが、誰が反対するかを見れば一目瞭然になるでしょう。