後進国が経済成長するパターンは決まっており、外国から投資を受け、借金で経済成長する。
最初のGDPが小さいほどこのロケットは強力に点火し、敗戦後の日本やアジア諸国がそうだった。
やがてある程度経済成長を達成し中進国になると、7%以上だった成長率が鈍化し4%以下になる。
成長率が高かった時には借金をして経済成長すれば、経済成長で金利分を返済できるので、事実上金利負担しなくて済んだ。
高度成長下の国ではいくらでも実質無金利で借金し、借金した以上に勝手にお金が増えていきます。
銀行から金利5%で1000億円借りて、土地を買ったら翌年2000億円に値上がりするような感覚です。
実際日本の高度成長期やバブル期はこの通りの事が起き、個人も企業も国もどんどん借金を増やして成長した。
だが1人当たりGDPが1万ドル前後になると成長率がどんどん低下し、借金して土地を買っても値上がりしなくなります。
低成長時代になると地価と株価が下がるが、借金だけが増えて経済成長しなくなります。
これが中進国(中所得国の罠)のワナと呼ばれる現象で、多くの後進国は先進国になる手前で跳ね返された。
昔小泉首相がサミットでJブッシュに「韓国を先進国首脳会議に加えてはどうか」と提案したら「それは面白いジョークだな」と真に受けなかったという。
小泉首相は韓国から賄賂を貰っていたが、何かの弱みを握られたのか、この頃既にボケが始まっていたのかも知れません。
中国の”先取り経済”とは
中国の代表的株価指数は上海総合ですが、2000年に2000だったのが2007年に5900、2015年にも5100まで上昇した。
それが今は3000程度で、この間GDPが1.2兆ドルから14兆ドルへ10倍以上になったのに、株価は1.5倍しか増えていません。
あまりにも不自然だが中国の資産のほとんどは土地であり、土地価格は2000年から10倍以上上昇している。
2000年代に中国の成長率は7%から13%だったが、現在は6%と発表していて実際にはもっと低いとされている。
中国は経済成長を先取りするため成長率を2から3%多く発表していたが、6%の成長率で3%も多く発表したら2倍になってしまう。
成長率の先取りとは中国は共産主義国で計画経済なので、前年に翌年の成長率を決定し、そうなるように予算を組みます。
例えば10%の成長率と決めて、実現するために100兆円の公共事業が必要なら、そのように予算を組みます。
この方式では経済成長率を高く設定したほうが速く経済成長できるので、中国は実際より高いGDPを発表します。
高度成長している間はこれで成長速度が速まったが、低成長時代になると借金が急増してしまいます。
ほんとうに中国経済が成長しているなら上海総合は2000年の5倍か10倍にはなっている筈なのに、1.5倍なのはおかしい。
株価が上がらない理由の一つは中国企業は共産党の支配下にあるからで、アリババやファーウェイも見た目ほど強くない。
途方もない売上を上げているが、共産党や党幹部や地方役人などに吸い取られて実際の利益は少ないのです。
中国企業はどれだけ巨大になろうとも、中国共産党の民間部門に過ぎないから、資本主義国の企業のような独立性がありません。
欧米や日本の企業は国家から出て行ってでも企業利益を追求するが、中国企業は「共産党ファーウェイ支部」のままです。
こうした矛盾はさらに成長率を押し下げ、中国政府はさらに強引な経済成長を試みるでしょう。
その結果現在3500兆円規模(GDPの3倍)に達するとされる公的債務は、さらに急増するでしょう。
その後中国は成長の先取りをした分、「後払い」に悩まされる事になる。