2019年の世界パソコン市場は8年ぶりに前年実績を上回り、2.7%増の2億6669万台だった。
20年1月にウィンドウズ7のサポート終了する事から、事前にPCを買い替える法人需要が多かった。
話題性や魅力的な新機種が多く登場したことから、個人で買い替えた人も多かった。
一過性の需要ではあったがPC業界は久しぶりの活況に沸き、日本でも世界平均を上回る販売を記録した。
19年第一四半期は29.2%増の405万台、第2四半期は45.0%増の397万台、第3四半期は69.7%増の480万台だった。
第4四半期(10~12月)も大幅増が予想されているので、通年では前年比4割以上増加したかも知れない。
19年10月から12月のメーカー別では中国レノボグループが出荷台数7060万台、世界シェア25%で1位となった。
世界シェアはHPが22.8%で2位、デルが3位、アップルはシェア7.5%で4位となった。
日本国内では米HPが約18%で初めて外国企業がPC販売1位になったが、実は国内メーカーの多くが外資に買収されている。
シャープ・東芝PCはホンハイ、富士通・NECはレノボ、ソニーVAIOはファンド傘下になりもはや純国産PCメーカーはパナソニックくらいになった。
世界的には中国レノボが買収を繰り返して巨大になり、先進国ではアメリカのHPやDELLが残っている程度です。
台湾のASUSなどもあるがPCメーカーは再編と衰退が続いていて、典型的な斜陽産業になっている。
PCでなくては出来ない作業が少ない
パソコンの販売台数は7年連続減少が続いていて、XPや7といったOSのサービス終了で時々盛り上がる他は前年割れがつづく。
2019年は7終了特需があったが、ウィンドウズ10からはこうした終了がないので、もう買い替え特需は起きないでしょう。
ウィンドウズ10自体は終了期限が無いようですが、将来「11」が登場したらいつか10も終了するのでしょう。
パソコン世界販売のピークは2011年で、この頃から普及したスマホと入れ替わるように減少しました。
とはいってもPCの保有台数は世界的に増えていて、日本でも少なくとも減ってはいません。
問題はPCの耐久性の高さと長寿命化で、例えば2020年1月に終了したWindows7は2009年9月に登場しました。
2019年10月のOS別シェアは10が約55%、7は約27%、8が2.2%、ウィンドウズ10は2015年7月に登場しました。
PCの平均使用年数(寿命)は2002年に4年だったのに、最近は7年になっていてその分販売台数は減少しました。
特にデスクトップPCは一度据え付けたら壊れる事が少ないので、OSが使えなくなるまで使う人が多い。
一時期ゲーム用高性能PCが売れていたが、それもPS4などゲーム専用機が主流になり沈静化した。
若者はスマホやタブレットに慣れており、PCを使わなくてはならない場面は少ない。
プログラミングや高度なソフトウェアなどPCでなくては出来ない作業はあるのだが、使用頻度は非常に少ない。
というわけでPCがまったく新しい能力を獲得しない限り、長寿命化による販売減は当分続きそうです。