中国のスマホ・通信機器メーカーのファーウェイは2019年に米国から取引禁止の制裁を受けたが、その後どうなったのでしょうか?
2019年5月2日にトランプ大統領はZTE、ファーウェイと米国企業の取引を禁止する大統領令を検討していると報じられました。
米国では19年8月に国防権限法が成立し、ファーウェイやZTE製品を使用禁止していました。
19年12月7日にはカナダで華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長が逮捕されました。
2018年5月には米国防省が全世界のすべての米軍に、ファーウェイやZTE製スマホなどの販売を禁止していました。
米国は同盟国にも両社の製品の使用停止を求め、2020年から両者と取引する企業は米政府との取引禁止になる。
日本ではファーウェイ製の通信機器を採用してはならないという指針を政府が示し、通信会社は採用しない方針としました。
スマホについては規制対象外で、特に格安SIM向けの格安スマホとしてよく売れています。
ファーウェイはアメリカでスマホを販売できないが、アメリカ以外の国では自由に販売できる。
それより大きいのは米国製OSを使用できないことで、独自開発するしかなくなる。
ファーウェイは制裁後すぐ独自OSを発表したが実はこれはアンドロイドOSで、規制対象外のフリーソフトを独自アレンジしたものです。
元はアンドロイドOSなので既成のアンドロイド用アプリを使用する仕様に、できなくもないでしょう。
制裁本格化はこれから
2019年のファーウェイ世界スマートフォン出荷台数は2億4000万台で前年比16.5%増だった。
2019年の売上高は前年比18%増の1220億ドル(約13兆2644億円)と、一見すると絶好調に見えます。
だがこれは中国政府の支援や愛国心から中国国内のシェアが42.4%まで急伸したためでした。
2018年下半期の中国国内シェアを見るとファーウェイは20%前後だったので1年で倍増したのがわかる。
中国は世界スマホ販売の3分の1を占めているので、中国で倍増したら世界で30%以上シェアが増える筈です。
それが実際には世界販売台数15%増というのは、中国以外では販売が急減したのを意味します。
やはり米国のファーウェイ制裁は中国以外ではかなりの打撃を与えていて、国内販売増で表面化しないようにしています。
中国政府がファーウェイを支えるのは自国企業だからではなく、ファーウェイは中国軍の通信機器部門だからです。
ファーウェイの通信機器には100兆円とも言われる多額の軍事費が投入され、だから短期間で5Gを開発出来ました。
ファーウェイはアリババと共に習近平の資金源でもあり、中国共産党とも深い関係にあります。
いわばファーウェイは習近平や共産軍の民間部門であり、だから中国はなんとしてでも助けます。
逆にアメリカはファーウェイが共産軍の一部門だと見ているので、何としてでもファーウェイを潰そうとします。
2019年は制裁が発動されても今までの契約が有効だったので、本当に制裁が実行されるのは実はこれからです。
特に米国製OSが完全に使用不可になってからの、西側諸国での販売動向に注目です。