2019年に全世界の再生可能エネルギーが過去最高となったが、エネルギー効率の上昇は小幅にとどまった。
太陽光発電の発電容量は18年の496ギガワットから7%増の約530ギガワットに増加したと推測されている。
世界の発電構成に再生可能エネルギーが占める割合は、2019年に約27%(~28%)となりました。
再生可能エネルギーはヨーロッパの電力構成の36%、中国の26%、アメリカ、インド、日本の約18%を占めています。(グローバルエネルギー統計イヤーブック)
2018年のデータですが国別では国内で再生可能エネルギー比率が最高だったのはノルウェーで97.9%、ニュージーランドは83%でした。
再生可能エネルギー上位国は水力発電の多い国が占めていて、自然条件に恵まれていました。
EUトップはポルトガルが52%、ルーマニア、イタリア、スペインが40%前後でドイツは36%した。(2018年)
全世界の電力消費量は最近年3.5%増加し、再生可能エネルギーは7%増加しているので、再エネ比率がそれだけ増加しています。
日本では水力の比率が大きく、太陽光・風力・バイオマス・地熱の合計は約10%に過ぎない。
日本の再生可能エネルギー比率が低い原因は皮肉にも菅直人政権が決めた再生可能エネルギーの高額買取制度でした。
欧米では太陽や風力の発電コストが下がっているのに、日本は1KW40円から始まり現在やっと20円前後です。
しかも日本では40円で契約した事業者はその後20年間40円のままなので、今後も数十年間日本の再生可能エネルギー価格は高いままです。

画像引用:https://www.shinrin-ringyou.com/forest_japan/img/menseki_japan/01.gif
固定価格で買い取った再生電力は大手電力会社の負担になり、電力会社は消費者に全額請求しています。
高額な電気料金に批判が高まり、大手電力は一時買取拒否という手段に出て、政府は新規募集を制限しました。
欧米で再エネが増えているのは安いからであり、地球環境の為に増やしてはいません。(特にアメリカ)
日本では政府が高額な買取価格を決めてしまったので、再生エネルギーは非常に高価なものになり普及を妨げました。
もうひとつの問題は地理的要因で、水力以外の再エネが普及した国は平野が多く山地は少ない。
日本は山地が国土の8割以上を占め、山地は森でもあり水源地でもあり、水を蓄えて水害を防ぐ機能も持っている。
もし森林を伐採してソーラーパネルや風車を設置したら、山が崩れて平野部に災害が及ぶのは猿にでも想像できる。
残念ながら日本の国土は太陽光や風力発電に適していないが、その代わり水不足がおき難く、砂漠や禿山はない。
日本の国土の8割が山で7割が森、ドイツは3割が森で同じく3割が山となっています。
国土交通省によると日本の可住地面積(人が住める地形)は27%、ドイツは67%、英仏も7割前後になっています。
ドイツのエネルギー政策を見習えと言いますが、日本は風車や太陽パネルを設置する場所が最初からないのです。
日本は可住地のすべてに人が住むか利用しているが、英仏独は可住地でも利用していない場所がいくらでもありました。
しかも森林面積は3割に過ぎないので、ドイツは人も住まず森でもないという場所がたくさんありました。
日本では人が住まず利用していない場所はすべて山地の森林であり、貯水と災害防止という役割を担っています。
おかげで日本では水がなくてしんだ人は有史以来あまり居ないので、山と森が多いメリットも甘受している。